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城北電気工事社長
伊藤誠氏
伊藤誠氏
【インタビュー】
 -業界と自社の現状は。

 「大きな変革期にある。新型コロナウイルス下でウィズコロナ、アフターコロナを見据えた新たな生活様式、経済活動が導入されているが、電気工事業界は現場に人が集い成果物を作るため対応が課題だ。その一方で、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などの技術革新が進み、建物のスマート化を提案できるようになった。新たな知識と技術の習得は必要だが、ピンチをチャンスにして商機を探りたい。コロナ禍で見通しは立たないが、対策として孫の手隊、顧問電気士など『目的別サービス』に注力するほか、4月に新サービスを始める予定。お客さまが料理を選ぶように工事メニューを選べる態勢を整える」

 -求める人材は。

 「明るく元気で素直な人だ。明るさ、元気は周りに良い影響をもたらす。素直さも仕事を覚えるために必要な要素だ。自分で考え、楽しく仕事できる人も求めたい。当社は社員一人一人が気付き、考え、行動する全員経営を目指している。実現できれば社員に働くこと、生きることへの自信と誇りが芽生え、社会に必要とされる人材になれる」
 「地域で活躍できる人材を育てたい。山形の将来を担う子どもの親は多くが中小企業で働いており、親が成長しなければ地域の成長や明るい未来はない。親=社員と共に成長できる取り組みを実践したい。中小企業経営者は地域の子どもの教育にも責任がある」

 -どのような能力が必要か。社内の教育制度は。

 「われわれは『作業』ではなく『仕事』をしており、人と上手に関わり、コミュニケーションを取ることで、仕事をスムーズに進めたり、生産性を高めたりできる。3年前に『城北電気共育大学』と名付けた教育制度を設け、階層別教育や技術教育の受講、地域活動、ボランティア活動への参加の度に単位を付与することで、社員に自己研さんを促している。七つの社内委員会も設置して社員を2~3人ずつ配置し、イベント企画、安全衛生、顧客サービス充実などに取り組み、社員教育に役立てている」

 -影響を受けた人は。

 「まず前職の先輩や上司3人だ。仕事の原理原則を教えてくれた人、直言でしかってくれた人、仕事の進め方を指導してくれて尊敬する人がおり、仕事に行き詰まると、3人ならどうするかを考え経営に生かすことがある。県中小企業家同友会の仲間は経営課題を議論し互いに学び合える。共に良い会社、良い経営環境をつくる場だ」

 ★伊藤誠氏(いとう・まこと) 山形工業高建築科、八戸工業大工学部電気工学科卒。東光電気工事(東京)の東北支社(仙台市)に1991年から15年間勤務した後、城北電気工事に2006年7月、専務として入社し、16年5月から社長。山形市出身。52歳。

 ★城北電気工事 1961(昭和36)年設立。山形市近郊を中心に各施設や住宅の電気設備工事、配電線に関わる工事を手掛ける。電気関連設備の設計、工事、現場管理、アフターメンテナンスを一貫対応できるのが強み。電気設備に関する困り事にワンストップで対応する「孫の手隊」、小規模工場向けに電気設備の見える化や、定期点検、異常時対応を無料パッケージ化した「顧問電気士」のサービスも展開している。社員数19人、資本金1千万円。本社所在地は山形市城西町4の5の37。

【私と新聞】多様な人との関わり実感
 伊藤誠社長は新聞について「読むと、いろいろな人がいろいろなことを考え、楽しみ、人生を送っていると分かり、自分がいかに多くの人と関わって生きているか実感できる」と指摘する。さらに「今後何に挑戦し、どう生きたいか、じっくりと考える機会も与えてくれる」と話す。
 起床後にコーヒーを飲みながら紙面をめくる。まず見出しや写真を拾い読みし、その後に気になる記事をじっくり読むのがスタイルだ。特に経済面は気になるといい「地域の経済や景気の動向、各地の中小企業、経営者の活躍は刺激になる」とする。
 スポーツ好きで、本県出身者の活躍、自身や子どもが関わったバレーボール、野球、ソフトボール、陸上競技の結果もチェック。昨年末で終了した企画「これぞ老舗」は、「老舗企業がどう時代の変化に対応したのか参考になった。戦国武将のようにしびれる決断もあり、好きだった」と振り返った。

【週刊経済ワード】ギグワーカー
 インターネットを通じて単発の仕事を請け負う働き手。ギグは英語で「1日限りの音楽ライブ出演」の意味でネットの普及に伴って2000年代に入り世界的に広がった。企業に属さずに自由に働けるので若い世代の支持を集めている。一方、個人事業主として働くため、最低賃金や失業保険などの保護を受けられない点が課題となっている。
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