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置環社長
桐生正貴氏
桐生正貴氏
【インタビュー】
 -業界の現状は。

 「下水道処理施設は約30年前をピークにほとんどの市町村が整備を終えている。これからは人口減少に伴い、統廃合を含めて施設の見直しが必要となってくるだろう。将来的に下水道がなくなることはないが、流入量が減ってきた場合、これまでの委託料を維持するためには処理料金を値上げせざるを得なくなってくる。現実的には難しいので、主力事業を維持しつつ新たな分野への進出を考えなければならない。その一つが昨年7月、上山市の坊平高原にオープンさせた温泉入浴施設『坊平リカバリー温泉 高源ゆ』だ。新型コロナウイルス禍で集客は厳しい状況だが…。こうした中でも実業団などから利用してもらい、高い評価を受けている。積極的な宣伝はできないので利用者の口コミを頼りにしている。コロナ収束後を見据えて、いつでも積極的なPRができるよう淡々と準備を進める」

 -求める人材とは。

 「本業は下水道処理施設の運転管理なので、まずは機械関係、電気設備、水質分析を扱う技術職が必要。工業系の専門知識を学んだ人材確保に努めている。学生時代に体育会系の部活に所属していた人材をメインに募集している。部活動の中で、基本的なあいさつやコミュニケーション能力が培われているからだ。一方で仕事を受注する際、必要となる国家資格が複数ある。資格取得に意欲的で、管理者分野での能力を発揮してくれる人材も併せ、確保していきたい。工学部系の大学を卒業した人を雇いたいが、なかなか難しい。知識と技能を併せ持ってもらうよう、社員教育に努めている」

 -仕事上で最も影響を受けた人物は。

 「仕事上で出会った人全てが、影響を受けた人物に挙げられると考えている。年齢は関係ない。誰もが今の私が持っていない、スキルや考え方がある。以前、『はっ』と刺激を受けた質問がある。相手は高校を卒業したばかりの若者で、『社長は何のために仕事をしているのですか』と聞かれた。即答できなかった。今の環境に慣れすぎてしまって、答えを用意していなかった。一拍おいて、『会社を守る。事業を継続し、社員とその家族の生活のため』と述べた。一般的には正解なのだろうが、果たして自分にとっては、それだけでよかったのだろうか。ほかにもあるのではないだろうかと今でも自問自答を繰り返している」

 ★桐生正貴氏(きりゅう・まさたか) 東北工業大卒。1981年桐生建設に入社し90年4月、社長に就任。2009年6月から置環の社長を兼任。米沢市出身。68歳。

 ★置環 米沢市の下水道処理施設を管理する目的で米沢、南陽両市の清掃業、ビルメンテナンス業者が出資して1985(昭和60)年11月に設立。上山市の蔵王坊平アスリートヴィレッジ内の温泉入浴施設「坊平リカバリー温泉 高源ゆ」も運営するほか、スキー競技のアスリート支援にも力を入れている。資本金5千万円、社員数62人。本社所在地は米沢市中田町1586。

【私と新聞】生活直結の情報、重宝する
 桐生社長は起床後すぐに本紙に目を通す。朝食を取りながら紙面をめくり、まず見るのが、事件事故などを扱っている社会面。次に県内4地域の話題、そしてお悔やみ欄、経済面へと展開していくのがルーティンとなっている。

 「新聞の種類は多くあるが、欲しいのは生活に直結する情報」と桐生社長。本紙のみを購読しており「山形新聞は地元の経済、町ネタ、行政関係などの話題がきめ細かく掲載されているので、仕事上、とても役立っている」と話す。

【週刊経済ワード】トヨタの世界生産
 トヨタ自動車は北米やアジア、欧州など世界各地に完成車工場を持ち、生産している。本格的な海外生産は1980年代に始まり、2007年には海外生産が国内生産を上回った。20年の世界生産は、新型コロナウイルス流行の影響で、前年比12.6%減の790万台と、2年ぶりに減少した。
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