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カルイ社長
高橋和成氏
高橋和成氏
【インタビュー】
 -農業機械製造業界、自社の現状は。

 「農業界は担い手不足に悩まされている一方、スマート農業がクローズアップされ、新しい機械の導入、開発が進んでいる。そんな中で当社のメイン製品は主に果樹に散水するための灌水(かんすい)ポンプと樹木粉砕機。売り上げの6割強を樹木粉砕機が占める。果樹に加え、剪定(せんてい)枝の容積を減らしたい造園業からのニーズもある」

 -力を入れている取り組みは。

 「近年は全国への露出を高めようとホームページを充実させ、ユーチューブ、SNSを活用しての製品紹介にも力を入れている。それにより、購入の見込みが高い人から問い合わせをもらうようになった。それでも、樹木粉砕機は環境によって使い勝手が違うので、かつてと同様、できるだけ利用者のもとに足を運び、実演することを心掛けている」

 「粉砕機は毎年必ず新しいモデルを出すか、モデルチェンジを行っている。販売台数が増え、要望も多様化している。農業分野だけでなく、住民へのレンタル向けに自治体のニーズも生まれている。従来想定していなかった環境で使いたいという顧客もおり、日々改良をしていかないといけない」

 -求める人材は

 「まず素直で謙虚な人を求めている。自分が善かれと思っても相手にとっては違うこともある。自らを見つめ直して評価できる人は次に進むことができる。また、そういう人は物をつくる上で重要な『理詰めで考える』という姿勢も持っていると思う。もう一つは何でもやってみようという意欲がある人。技術の進歩は経験の積み重ねだ。2人で3人分の成果を出すような、そんな姿勢を求めている。社員が自分の子どもを入れたいと思うような会社でありたい。当社は自ら考え喜んで働く『喜働』という考え方を掲げており、そのためにも、働きやすい環境をつくっていきたい」

 -仕事上、影響を受けた人物は。

 「3代目社長である父(孝始さん)だ。会社が岐路を迎えた時期に社長を務め、『何のために仕事をするのか』を改めて社員とともに考え、新しい会社をつくっていこうとした。樹木粉砕機に注目したのも父だ。先人が築いてくれたものを社員とともにより良くし、顧客に喜ばれる機械をつくっていきたい」

 ★高橋和成氏(たかはし・かずなり) 日本大理工学部卒。工進精工所勤務を経て、1987(昭和62)年カルイに入社し、工場長、常務を歴任した。2001年から現職。山形市出身。59歳。

 ★カルイ 1916(大正5)年愛媛県伊予三島で高橋製作所として創業。39(昭和14)年山形市に移転、山形発動機として業務を開始する。64年キャナルポンプ、75年には日本初の樹木粉砕機を開発。90年に社名をカルイに変更した。社員21人、資本金1000万円。本社所在地は山形市鋳物町46の1。

【私と新聞】地元の動き、確認に不可欠
 午前8時始業の同社。高橋和成社長は毎朝7時すぎに、山形新聞に目を通してから出社する。「山形新聞を読むと、地元の動きが分かる」と話し、お悔やみ欄、経済欄などに目を通す。

 経済紙と週刊の業界紙3紙を併読し、業界の動きをくまなくチェックしている。気になったニュースは会社の朝礼で紹介する。最近は、同社が「樹木粉砕機の着脱自在可能な送り歯を有する送りローラー」の技術で本年度の東北地方発明表彰で中小企業庁長官賞を受賞したとの記事が本紙に掲載され、早速紹介した。

 発明表彰に関しては、新聞で知った人から祝電をもらったという。「皆さん読んでいるのだなと感じる。地元の動き、人の動きを知ることができるものとして、新聞は必要不可欠だ」と語った。

【週刊経済ワード】衆院調査局
 衆院事務局の調査部門として置かれ、議員の活動を補佐している。各委員会の所管事項の現状や課題、通過議案の要旨などをまとめている。憲法に基づく国会の国政調査権を補完する仕組みとして、衆院には委員会の議決や議員40人以上の要請で必要な調査を行う「予備的調査」という制度があり、調査局などが担当。森友学園問題でも野党側の求めを受け調査局が今月、決裁文書改ざんの過程を巡る予備的調査の結果を取りまとめていた。
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