NIBフロントライン

山形飛鳥社長
五十嵐七朗氏
五十嵐七朗氏
【インタビュー】
 -自社の現状と力を入れている取り組みは。

 「当初はホテルや旅館を含む外食向けにイカの刺し身などを提供する業務が主体だったが、20年ほど前から生協、スーパー向けがメインとなり現在も、県内の8割以上の店頭にイカの刺し身や加工品を置いてもらっている。スーパーも人手不足で、刺し身への加工などの現場負担が重くなり、子どもからお年寄りまで食べられる細さのイカ刺しなどで引き合いが多くなった。新型コロナウイルス感染拡大の影響は受けたが、大きくはない。東京都内の有名レストランなどで、酒田のイカだけでなく、庄内の食材について質の高さを知ってもらうフェアも企画している。特に『どこにでもあるイカだけど、ここにしかないイカ』をコンセプトに売り込む。従来、はえ縄漁のえさにしていた小型のイカも、柔らかくてうまいということをPRし、商品開発している」

 -求める人材は。

 「自ら起業するくらいの意気込みがある人。『他社(者)のまねをするな』がモットーで、規律を守りながら、人がやらないことをやることが大切だ。自分もカツオのだしなどを業者向けに販売する会社で営業部長まで務め、40歳で独立して創業した。自分で立って考え、実践する人材を求めている」

 -求める能力と、その能力を身に付けるために取り組んでいることは。

 「チャレンジする心と自ら提案する力を求める。失敗しても取り返しがつかない状況にしないバランス感覚が重要だ。提案を通すためには何が必要かを考える力も身に付けてほしい。そのために社員のアイデアを採用して応援し、人生を懸けてもいいと思ってもらえる会社にしていく」

 -影響を受けた人物は。

 「両親だと思う。父は新潟大を出て戦争に行き傷付きながら、鮮魚店と板前をしていた。フロンティア精神があり大酒飲みで豪快な人。母はリヤカーで魚を売り9人きょうだいを育て、堅実で真面目。2人からたくさんのことを受け継いだ気がする。自分は七男で末っ子。板前の長兄が作ったイカの塩辛がうまくて、『お前が売っているだしを入れたら、もっとうまくなるぞ』と言われたのが、いまの商品開発の出発点かもしれない」

 ★五十嵐七朗氏(いからし・しちろう) 芝浦工業大を中退後、カツオだしなどを販売するフタバ(新潟県三条市)に勤務し、経験を生かして同市に飛鳥フーズ、酒田市に山形飛鳥を設立。週末は地元に帰るが、平日は酒田市で単身生活。新潟県燕市出身。66歳。

 ★山形飛鳥 1995年創業の飛鳥フーズ(新潟県三条市)が関連会社として2015年、良質なスルメイカの水揚げ港がある酒田市に設立。スーパーや生協向けにイカの刺し身などを手掛ける。「イカに恋している」をキャッチフレーズに、生臭さがネックだった肝を活用し独自商品を生み出した。酒田港の船凍イカを多く仕入れ、刺し身の処理や加工、新商品の開発に力を注ぐ。資本金1千万円、従業員100人。本社所在地は酒田市船場町2の4の12。

【私と新聞】地域の話題、商談でも有効
 軽快に話す姿がテレビなどで紹介されることもあるが、実はニュース番組以外あまりテレビは見ず、お笑い番組も好きな方ではないという五十嵐社長。「新聞は電子版をよく読む。経済分野の記事には特に関心を持っており、地域の話題を知っていることは商談でも有効」と話す。

 いつも夜9時ごろには寝て、毎朝3~5時には複数紙の電子版に目を通す。参考になる記事はメールで役員や担当の社員に送り、どう思うか聞くという。独立前に勤めていた新潟県の会社では北海道から沖縄まで営業で回り、商談では各地の地方紙に載った記事から話のつかみを得ていた。「地域の話題を知って、相手が関係するニュースだと話は円滑に進んだ。地方紙には助けられたよ」と笑顔を見せる。

 電子版だけでなく、紙の新聞も一覧性などで優れている部分は多いと語る。「インターネットの記事や情報だけでは、話題や知識の厚みは出ない」と指摘。社員にも切り抜いた記事で課題を出し、50字以内で意見をまとめさせるなどの研修にも定期的に取り組んでいるという。

【週刊経済ワード】ニトリホールディングス
 家具国内最大手。似鳥昭雄会長が1967年に札幌市で創業した「似鳥家具店」が前身。自社開発商品をアジアの工場で製造することで低価格化を実現してきた。2020年8月20日時点で国内559店舗、海外67店舗を展開。国内は小型店の出店を加速し、海外は中国での販売を強化する。20年2月期連結決算は売上高が6422億円、純利益は713億円。
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