NIBフロントライン

岡崎医療社長
斎藤嘉広氏
斎藤嘉広氏
【インタビュー】
 -自社と業界の現状は。

 「県内全域を営業エリアに、顧客の要望があれば何でも用意する。例えば医院を開業するお客さまがいる場合、医療機器や医療用具だけでなく待合室の椅子や応接セットも調達し、土地や建設業者も紹介する。近年は医薬品卸売業者が医療機器販売分野に進出しているが、当社の売りはアフターフォロー。機器に不具合があれば、すぐに駆け付け、丁寧、的確な対応で差別化が図られている。営業担当者は長時間労働になりがちで、改善のための働き方改革に取り組んでいる。機械化も進め、勤務時間の8時間で仕事を終える仕組みをつくりたい。人材育成を担う部署も設け、若者が目的を持ちながら仕事し、成長できるよう教育する」

 -求める人材は。

 「経営理念の中にあるように『徳のある人』だ。つまり人が見てなくても自分のするべきことをする人、人のためになることをできる人。そういう人が会社にいれば、お客さまに認められ信頼される。お客さまとの信頼関係が築ければ仕事もうまく回る。当社の取引先は医療機関や福祉施設で人の命に関わる仕事をしている。社員にはそのプライドと誇りを持ち仕事するよう話している」

 -求められる人材になるため必要な能力、努力は。

 「仕事の目的や自分の役割を理解し、ポジティブで前向きな気持ちを持つことだ。目的を持つと仕事は楽しくなるし、お客さまにも喜ばれる。基本的な礼儀やマナー、社会的常識は社会に出る前に身に付けてほしい。学校だけではなく家庭での教育も大切だ。また情報過多の現代だからこそ、情報の正誤を見極める力は不可欠になる。そのために幅広い知識、意見を吸収し、視野を広げてほしい」

 -仕事上で影響を受けた人物は。

 「2017年に亡くなった医師の日野原重明さんだ。日野原さんの根底には平和を求める考えがあり、『命は自分の使える時間のことだ』としていた。子どもに対し、子どもの頃は勉強、遊びなど全ての時間を自分のために使い、大人になれば自分のためだけでなく他人のためにも使うよう諭していた。子どもに命とは何かを教えてくれる人は少なく、そう教えられた子どもは他人のことを考えられる大人になる。そういう人が多い社会になってほしい」

 ★斎藤嘉広氏(さいとう・よしひろ) 山形大大学院工学研究科電気工学専攻修了。1980(昭和55)年に殖産相互銀行(現きらやか銀行)入行。2005年に義父の故岡崎長右エ門氏が営んでいた岡崎医療に常務として入り、06年7月から現職。鶴岡市出身。64歳。

 ★岡崎医療 医療機器や医療用具、介護機器、介護用品の総合商社で、初代社長の岡崎長右エ門氏が1960(昭和35)年に創業し、61年に株式会社として法人化した。県内の取引先は病院、診療所が計約700件、福祉・介護施設が計約350件。本社のほか鶴岡、酒田両市に営業所があり、山形市内で調剤薬局6店も運営している。資本金2千万円。従業員数は89人。本社所在地は山形市あこや町3の4の3。

【私と新聞】「談話室」は共感あり発見あり
 斎藤嘉広社長は自宅で3紙を購読している。山形新聞については「1面コラム『談話室』は共感あり新たな発見ありで、毎日楽しく読んでいる。地域版は各地域の違いが分かり、面白い」と評価する。さらに「全体を通してカラー写真が多く、きれいで見やすい」と話す。

 近年はネットニュースが普及し、パソコン、スマートフォン、タブレット端末で読める電子新聞も出ている。斎藤社長は「特定の調べたい物などがある時はネットは便利」とその利点を認める。一方、それでは自分が関心のある記事、見出ししか読まないため、「幅広い記事が目に留まる紙の方が良い」という。

 新型コロナウイルスは収束の気配が見えない。それでも「それを乗り越えようと頑張る人、企業のことが紙面に掲載されていると元気付けられる。経営の参考にしたい」と語った。

【週刊経済ワード】2段階認証
 インターネットサービスの利用時にIDとパスワードを用いた本人認証に加えて、別の手段でも再度認証を行う仕組み。パスワードが盗まれた場合でも第三者による悪用を防ぐ効果があり、サービスの安全性が高まる。携帯電話に1回限り使える「ワンタイムパスワード」と呼ばれるコード番号を送り、本人に入力してもらう方法が多く採用されている。指紋や顔の識別による生体認証を使うケースもある。
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