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遠藤製作所社長
遠藤聡氏
遠藤聡氏
【インタビュー】
 -業界と自社の現状は。

 「製造業は製造拠点を海外に置くなどグローバル化が進み、われわれのような山形の企業もグローバルスタンダードで見られるようになった。そうしたことを見据え2012年、当社はベトナムに進出している。現在の取引先の分野は大きく分けると半導体、プリンター機器、環境分析装置、自動化・省人化関係機器などのメーカー。新型コロナウイルス感染症の影響で『国内でものをつくっていこう』という流れも出てくるかもしれない。われわれとしては、改善を繰り返し、製造原価をどんどん下げることに取り組まなければいけないが、それには限界もあり、働き方、作り方そのものを見直す時期にきている」

 -求める人材は。

 「海外と戦わなければいけない中で、改善意欲があり経営者的な感覚を持った、ある意味野心的な人材が必要になっている。技術力を磨くことは大前提だが、何でも前例踏襲ではなく、客観性を持って『こんなことをしていたらおかしいのでは?』と問題を見つける力、問題を提起し解決できる力がある人材がほしい」

 -そうした人材をどう育成しようとしているか。

 「次世代のリーダーという位置付けで30代くらいの係長クラスを対象に、山形大の教授を講師に迎え講習を定期的に行っている。問題に直面した時、論理的に考える力を養ってもらおうという目的だ。人事考課についても、頑張った人が頑張った分だけ評価されるように公平感、透明性を確保しようと考えている。会社として求める人材像を示して共有することが大事になってくる」

 -影響を受けた人物は。

 「勤務していた建築設計事務所(東京)の所長、小松清路さん。仕事はもちろん、お茶の入れ方やトイレ掃除の仕方、人との接し方などにとても厳しかった。今思うと、その経験が自分の人格を形成する上で良い方向に働いたと思う。人との接し方、協調性、礼儀、モラルなどは仕事をする上でベースになるもの。それがおろそかであってはいけない。当時教わったことは、今、自分が社員に対して『こういう人であってほしい』という思いにも表れているように思う」

 ★遠藤聡氏(えんどう・さとし) 日大山形高、東京デザイン専門学校卒。都内の建築設計事務所に勤務した後、2004年に遠藤製作所入社。専務を経て11年から現職。山形市出身。45歳。

 ★遠藤製作所 1949(昭和24)年に山形市銅町で創業。61年株式会社化した。2006年本社を同市立谷川に移転、11年第二工場を稼働させた。12年にベトナム工場(現地法人)を設立した。精密機械部品加工などを手掛ける。資本金は7千万円、従業員数は約70人。本社所在地は山形市立谷川2の485の10。

【私と新聞】世界の動きを知る材料
 遠藤聡社長は新聞を読む際、紙媒体に加え、電子版を活用している。「時間が空いた時に確認しやすく、メールなどで共有するのも楽」というのが理由だ。

 特に遠藤社長が注目する記事は世界情勢について書かれたもの。昔は「対岸の火事」のように受け止めていた世界の動きも、今は自社に影響する。「リーマンショックの後も受注に影響が出たし、原油価格の変動にも影響を受ける」と遠藤社長。

 「グローバル化で、今は世界のどこかで起きていることが山形の中小企業にも影響を及ぼす。世の中はつながっているんだなと実感することが多い」といい、世界で何が起きているかを把握するため、常にアンテナを高くしている。世界の動きを知っておくことが、自社の対応の判断材料にもなっている。

【週刊経済ワード】人出データ
 特定の地域内にいる人口を示す数値。NTTドコモは基地局につながる携帯電話端末の台数を集計し、携帯の普及率を加味して推計している。プライバシーに配慮し、データは個人を特定できない形に処理される。自治体の防災計画の策定や、企業の商圏調査などにも使われている。ドコモ以外にも、衛星利用測位システム(GPS)でスマートフォンの位置情報を把握し、人出を算出するIT企業もある。
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