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パリス保育園園長
阿部彰氏
阿部彰氏
【インタビュー】
 -保育の現場を取り巻く現状は。

 「一般に待機児童問題や保育士不足が大きなトレンドだが、都会と地方で2極化が進んでいる。過疎地は少子化で定員割れしている結果、施設の集約化が進み、最上地域でもこの傾向は見られる。今後はこういう状況下で、どういった経営判断をするかが問われてくる。最大の問題は人材確保。人が人を相手にする仕事なので、優れた人材かどうかで全てが決まる。保育園にも淘汰(とうた)の時代が必ず来るだろう。サービス、つまり、いかに良い保育を提供するかが鍵を握っており、そのための基盤を今からつくっていく。当法人は子どもと大人が共に学び合い成長する『共育(ともそだ)ち』が理念の一つ。この理念が他地域でも通用するか見極めたいことと、保育需要の高さから進出しやすかった仙台市にも二つの保育園を設けた」

 -求める人材は。

 「人のために役に立ちたいと思える人が向いている。必要なスキルは、専門知識に加え『非認知能力』。人工知能(AI)時代を生き抜くためのスキルだ。具体的には▽主体的に物事に取り組む▽自分の気持ちをコントロールできる▽コミュニケーションを取る▽最後まで粘り強く頑張る-といった力。求める人材も育てたい子ども像も同じだ。これが身に付いていると多様な問題解決ができる。当園は自然の中で遊ぶことを大切にし、仙台の園もたくさんの木や草花を植えた小さな庭に、さまざまな生き物が寄ってくる。そこで子どもは遊び、考え、工夫し、感じたことを伝え合う。非認知能力はそうして育つ。また人と関わることも好きになり、一人でできない大きなことが成し遂げられる。そうした子どもの姿を見て自分も学び、成長を楽しめるような人材が理想だが、最初から備わっている人は少ないため教育が必要になる」

 -指導していることは。

 「人として、やって良いこと、やってはいけないことを確かめ合う。共感と励まし、目標を共有することも大事。専門スキルは講師を招いての研修、外部の各種研修への参加などで身に付けてもらう。配慮していることは、それぞれの性格や持ち味を大事にすること。同じようなタイプがそろってもうまくいかない」

 -影響を受けた人物は。

 「元白梅学園大(東京)教授の八木紘一郎先生。30年以上、家族ぐるみでの付き合いがある。共育ちの理念をはじめ目標設定、問題解決の仕方など多くのことを学んだ。もともと一人が好きで怠け者だった私だが、社会活動にも積極的に参加できるようになった。感謝している」

 ★阿部彰氏(あべ・あきら) 1977(昭和52)年に明治大商学部を卒業後、仙台市の服飾専門学校に勤務。87(昭和62)年、旧パリス幼稚園園長に就任し、2003年から社会福祉法人みらい副理事長、04年から現職。新庄市出身。65歳。

 ★パリス保育園 社会福祉法人みらい(新庄市、阿部文子理事長)が、仙台市のパリス錦町保育園、パリス将監西保育園とともに運営。阿部理事長が1953(昭和28)年に新庄市に設立したパリス洋裁学院、82(昭和57)年に最上町に創設した学校法人パリス文化学園パリス幼稚園などが前身で、保育園の需要増を受け04年に開園。みらいは資本金1700万円、職員数69人。所在地は新庄市金沢1917の7。

【私と新聞】博学の友人がいるようだ
 阿部彰園長は新聞の利点を「身近な出来事から県、国、世界の動きまで全てが載っている。時間がない時は見出しを見ればおおよそ把握でき、ネットよりも早い」と話し、他のメディアにはない特色だと強調した。

 他県の地方紙も見る機会があるが、山形新聞のクオリティーは高いといい「擬人化すれば“博学の友人”がそばいるようだ」。地域の政治・経済に関した記事によく目を通し、選挙情勢には特に関心が高い。“選挙の山新”の形容通り、本紙の情報量や分析力に感心していると語る。

 ほかに作家五木寛之さんのエッセー、くらし面の各種情報も楽しんで読んでいる。地域版で日付のたった話題が散見されるとして「もう少し早く掲載してもらえるとうれしい」と要望を寄せた。

【週刊経済ワード】外国為替証拠金取引(FX)
 一定の証拠金を業者に差し出すことで多額の運用ができる外国為替取引。1998年の法改正で個人が自由に外国為替取引をできるようになり、徐々に規模が拡大した。インターネットを通じて気軽な売買が可能だが、相場急変時は巨額の損失を被るリスクもある。円とドルの売買が最も多く、ユーロやポンドを円と交換する取引もみられる。
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