NIBフロントライン

クリエイト礼文CEO
大場友和氏
大場友和氏
【インタビュー】
 -業界と自社の現状は。

 「少子高齢化が進み、新設住宅着工戸数は15年前の120万戸から将来、10年後に60万戸になるとされ、地方都市でも例外ではない。一方で世帯分離が進み、家族用アパート・マンションに住む20~30代世帯は多い。当社はその世代に幸せな住まい、いわゆるQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)住宅を提供し、縁ある人々を幸せにすることを理念としている」

 -「ユニテハウス」をフランチャイズ(FC)展開している。

 「住宅業界は機能競争に陥りがちだが、当社は20~30代でも幸せな住宅が手に入るように土地、建物、外構(庭)をトータルで提案し、機能とコストのバランスを考えながら、必要な機能だけを訴求する。敷地も無駄にしない。販売ノウハウと商品をパッケージにし、マーケティングに強いFCとして全国展開している。直営も含めFC全体で現在、年間着工棟数は計約900棟。2028年までに年間5千棟を目指す」

 -求める人材は。

 「挑戦、情熱、達成の三つを持ってほしい。可能性に向かって常に挑戦し、何事にも妥協することなく、情熱を持って取り組むことは欠かせない。自分で定めた目標を必ず達成する能力も大切だ。そうなるためには、自分が最も大切にする価値観である『人生理念』を確立し、目指す理想像である『人生ビジョン』を明確化した上で、これらと一貫した目標設定と、計画化、日々の実践が必要となる」

 -求める能力は。

 「グローバル化、少子高齢化が進み、多くの労働がAI(人工知能)に代替される時代がくる。今までと求められる学力も変わる。知識から正解を早く導き出す力より、解決すべき課題を発見する力、学び続ける力、協働により課題解決の道筋を切り開く力が求められる。地方商圏から全国に打って出るためには、主体性、多様性、協働性が必要になる。社会人になる前に表現力や、プレゼンテーション力、思考力も磨いてほしい。できるだけ多くの人に会って話し、幅広い考えを吸収してほしい」

 -影響を受けた人物は。

 「渡辺晃会長と、前社長の大場一夫最高顧問だ。優れた経営者には『徳』と『才』が必要とされる。渡辺会長は戦略的思考、卓越した才覚を持ち、大場顧問は地域社会や人に貢献し、徳を積まれた。私も2人から学び徳と才を身に付けたい。また(米国の能力開発研究家)ナポレオン・ヒル(1883~1970年)の著書『成功哲学』が私のバイブル。成功の思考習慣を学び、何度も読み返している」

 ★大場友和氏(おおば・ともかず) 日大山形高卒。青森大2年時の1997年にクリエイト礼文の建築事業開始に伴い、帰郷して入社。賃貸部長、売買仲介部長、仙台営業所長、関東営業所長、常務、専務を経て今年4月、最高経営責任者(CEO)に就任した。上山市出身。44歳。

 ★クリエイト礼文 1990年設立。木造住宅建築業、不動産業を手掛け、戸建て着工棟数は11年連続で県内1位。シンプルモダンの総2階建て住宅「ユニテハウス」が主力商品で、ユニテハウスは全国にFC展開。FC店は現在、全国47拠点になった。資本金9300万円。従業員数は206人。本社所在地は山形市南原町2の7の39。

【私と新聞】高校時代に“力”を実感
 大場友和CEOは毎朝、新聞を開いて見出しを飛ばし読みする。政治や経済、地域、お悔やみなど幅広い見出しに目を通し、自身の事業や生活に関係する記事は熟読する。興味を持った記事は比較的時間の取れる夜間に、インターネットも駆使して掘り下げている。

 少年時代に新聞の力を感じた。日大山形高時代は野球部に所属し3年時、全国高校野球選手権大会に出場。自身は甲子園でのプレーはかなわなかったが、兵庫県の宿舎で記者から取材を受けた。「補欠の立場で選手をどう支えるか」と問われ、「『レギュラーは同じ努力をした中から選ばれた代表。信頼し応援するだけ』と答えた記憶がある」。

 コメントは新聞に掲載され、地元の山形で記事を読んだ両親から宿舎に手紙が届いた。初めて新聞に載った喜びと、文字のメッセージが兵庫から遠い山形で人に伝わった感動、手紙という反応があった思い出。大場CEOは「高校生ながら印象深い出来事だった」と懐かしそうに振り返った。

【週刊経済ワード】新型コロナの緊急融資
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府が緊急対策として打ち出した中小企業や個人事業主に対する実質無利子・無担保の融資制度。政府系の日本政策金融公庫などに加え、5月から民間金融機関も始めた。小規模事業者の融資申し込みが多い日本公庫には4月26日時点で約33万件の申し込みがあったが、融資決定は約17万件にとどまっている。
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