NIBフロントライン

ホリエ社長
堀江龍弘氏
堀江龍弘氏
【インタビュー】
 -業界の現状を踏まえ、自社の取り組みは。

 「人口減少に伴い住宅着工数が減少する中、新しい顧客に出会い情報発信するため、子育て世代などが行きたくなるような、おしゃれでおいしくて快適なレストランを南陽市内に自社でつくってみた。心が安らぐ広がりのある空間とし、自社のキャッチフレーズ『リゾートに、住まう。』を表現した。モデルハウスも併設している。商売だけでなく地域貢献の気持ちがある。飯豊町内に同様のホテルを建てて経営するのも、地域の魅力をより輝かせたいとの思いから。当社のレストランへ食事に来たり、ホテルに泊まったりして地域を知るきっかけになればうれしい。そして、この地域が良いと思う人が増えれば、住みたいと思う人も増えるような、相乗効果が生まれてほしい」

 「新しい顧客と出会う別の方法として、完成内覧会を活用している。自社の施工主の協力をいただき、新築住宅を1カ月以上、長くて1年間にわたり公開させてもらっている。幸い、複数の施工主が同時期に許可してくださることも多く、良い関係を築かせてもらえてありがたい。実際に暮らすリアルな家と見比べてもらうと、建てたい家がイメージしやすいと好評だ。間接照明や創作家具も含め実際に見てもらうことの大切さを実感している。おかげさまで置賜、村山両地域での実績が徐々に増えている」

 -会社が求める人材と育成方法は。

 「大工は若手が少ないため後継者育成は重要だ。断熱性能を高めてエネルギー消費を抑制した超高性能な住宅が業界で存在感を増しており、この建築技術にたけた職人集団を『シエルクラフトマンズ』と称して、人材育成に注力している。現在11人の社員大工は最年長で40歳と若いが、在来工法もしっかりできるし、腕前なら大手に負けない自負がある。大工のイメージ刷新を図り、『格好良く』『稼げて』『革新的』な新3Kを掲げる。近年は県外出身者もおり、営業や設計も含めて優秀な若者が集まってきている。チームワークで働ける人、人との関係を大切にできる人、自発的に挑戦したい人を歓迎する」

 -仕事上で最も影響を受けた人物は。

 「父(勝彦会長)だと思う。息子が言うのはおかしいかもしれないが誠実なところ、すぐに行動するところだ。一緒に働くようになり、真面目に誠実に仕事をすることが一番だと改めて教えてもらった。顧客からの依頼にすぐ対応する姿勢も見習いたい。この二つは肝に銘じている」

 ★堀江龍弘氏(ほりえ・りゅうこう) 新潟大工学部卒、グロービス経営大学院修了。積水ハウスで3年間の勤務を経て2010年、実家が経営するホリエ入社。14年専務、19年12月社長に就任。飯豊町出身。35歳。

 ★ホリエ 1931(昭和6)年、くぎやくわを扱う鍛冶屋として創業。67年に堀江鉄工所として鉄骨建築工事業を開始、89年に株式会社ホリエに改組した。2011年にブランド「シエルホームデザイン」を創設。17年から飯豊町で「ホテル・スロー・ビレッジ」、南陽市でレストラン「テラス・ルヴァン・アカユ」も経営。資本金2千万円。従業員約60人。本社は飯豊町椿2529。

【私と新聞】地元の情報を広く把握
 堀江社長は山形新聞のみ購読している。時間があるときは1面から順番に目を通す読み方。必ずチェックするのは地域に根ざした情報が豊富な地域版で「お客さまとの会話などで、地元のことを紹介してくれる記事はとても役立つ」と語る。

 ただ、インターネットでニュースを読む頻度の方が高いのが実情だ。「情報を深掘りするのはネットの方が便利だと思う。でも、新聞の良いところは、紙面を開くと自分の関心が低いニュースでも目に入ること。特に地元の情報を広く把握するには、新聞こそ便利だと思う」と堀江社長。

 山形新聞の記事がネット検索でヒットした際、読もうとすると登録が必要となる点に注文も。「課金しても読みたい記事か判断できない場合がある。定期購読者に対して少し料金を上乗せすれば、読めるようになるといいのだが」と語った。

【週刊経済ワード】緊急経済対策
 景気の悪化や大規模な災害などに対応するため、国が講じる財政支出や減税措置を組み合わせた政策。新型コロナウイルス感染拡大への対策は、税制面の対応に加えて、打撃を受けた家計や企業を重点的に支援するほか、感染抑制後の飲食、観光業などの需要喚起策が盛り込まれる方向だ。事業規模はリーマン・ショック後に取りまとめた56兆円の対策を超えて過去最大となる。
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