NIBフロントライン

丸市運送社長
高橋和義氏
高橋和義氏
【インタビュー】
 -業界の現状を踏まえ、自社の取り組みは。

 「運送業界にとどまらず他業界も同様に人手不足が深刻化している。ニーズは常に変化しており、従来の枠組みにとらわれずお客さまの声に対応しなければいけない。われわれに何を求めているのか。物流としてどこまでできるのか。当社は従来の輸送業者の枠を超え、常温倉庫・冷蔵倉庫・冷凍倉庫を所有し『総合物流』として、新たな取引先・業務の開拓に努めている。お客さまと心の通い合った良質なサービス提供を心掛け、パートナーシップを強固にすることが大切だ。働き方改革や作業環境の改善を進めており、採用する人を企業が選ぶのではなく、選ばれる企業・存続し続けられる企業になることを目指している」

 -求める人材は。

 「さまざまな変化にも前向きに対処できるような人を求めたい。一歩先を読む力も必要。時流を読み、アンテナを張り巡らせれば、いろいろなことを学ぶことができる。モチベーションが高まり、広い視野で方向性を示すことにもつながる。多くのことに興味を持ち挑戦してほしい」

 -その力を身に付けるために必要なことは。

 「一歩先を考えることは、付加価値の高い仕事力を身に付けられることにつながる。そのためには人との心のつながりを深めることが肝要。人材育成は『指導・教育される側、する側ともに訓練の場』と位置付けている。手法としてはPDCA(計画、実行、評価、改善)サイクルを活用している。成果指標を見ながら結果や内容を評価し、計画にフィードバックさせる。これを繰り返し活用することでポジティブな力が生まれる。今後は変化の早い世の中に対応するため、新たな業務プロセスであるOODA(観察、方針決定、意思決定、行動)ループもビジネスメソッドとして考えている」

 -影響を受けた人物は。

 「創業者であり父親である高橋護。25年目で他界したが仕事に対しては厳しかった。常にお客さまと従業員に真剣に耳を傾けていた。父からの教えとして『お客さまがなぜこの会社を選んでくれたのかをよく考えること。そしてお客さまの期待が感動に変わるぐらいのことをしなさい』という言葉が印象に残る。非常に奥が深く、この言葉を思い出すとパワーをもらえる。仕事以外では笑顔の絶えない人だった」

 ★高橋和義氏(たかはし・かずよし) 東海大山形高卒。大手物流会社勤務を経て2002年12月、父が経営する丸市運送入社。06年取締役管理部長、10年に専務となり、13年から社長。天童市出身。43歳。

 ★丸市運送 1988(昭和63)年に有限会社として設立、95年株式会社化。当初は長距離輸送をメインに運営。その後、県内に先駆けて冷凍・冷蔵・常温三つの温度帯の管理・配送を行う。スーパーやコンビニなどの専用物流にも取り組む。2015年、従業員の子育て支援に積極的な「子育てサポート企業」の認定(くるみん認定)を受ける。今年1月に本社社屋を新築。資本金2300万円、従業員450人。山形、天童、鶴岡、河北、大石田の県内各市町と宮城県仙台、富谷、岩沼各市に営業所。本社所在地は東根市野田724。

【私と新聞】生活に不可欠なツール
 「山形の情報を得るには山形新聞を読むことが一番の情報源。生活に欠かせないツール」と語る高橋和義社長。1面から順に目を通すことから一日がスタートする。紙面を開くとまず見出しを見て、関心があれば記事を読む。経済に限らず幅広い分野に目を通す。山形新聞の利点は「地域の細かい情報、イベントまで網羅している点」という。特に地域版を読むと、内陸、庄内、山形広域、置賜と地域ごとに地元の話題が充実しており「思いがけないエピソードと出合ったり、自分にはない視点に気付かされることもあり面白い」。また「新聞はいい参考書。情報収集に役立てるために、今後も身近な話題を提供してほしい」と期待を寄せる。

【週刊経済ワード】現金給付
 景気悪化に対応するため、生活支援を目的に国民に現金を配る経済対策の一つ。2008年のリーマン・ショック後には「定額給付金」として住民基本台帳や外国人登録原票に基づき、1人当たり1万2000円を支給。65歳以上と18歳以下には8000円を上乗せした。市区町村が支給などの実務を行い、事務経費も含めて国が全額を補助した。
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