NIBフロントライン

タカミヤホテルグループ会長
岡崎弥平治氏
岡崎弥平治氏
【インタビュー】
 -業界、蔵王、自社の現状を踏まえ、力を入れていることは。

 「守るべきところは守りつつ、ビジネスモデルは少しずつ変化していかないといけない。例えば外国人宿泊者が増えれば、旅館業のあり方も多様化していい。朝食のみ提供する宿の整備も考えている。宿泊客のニーズに対応することで、地域に新しい商品ができ、スタッフの働き方改革にもつながる。そのためにも飲食できる施設をつくるなど、地域で複合的に考える必要がある。地域がよくなれば、会社としてももっと面白いことを考える余裕が生まれる。地域ブランドをどうつくっていくか。私たちのような業種はそれを考えないといけない。蔵王の絶対の強みは温泉。外国人をはじめ、雪を見に訪れる観光客も多い。ただ今後は温泉や樹氷にプラスアルファのコンテンツを考える必要がある。そうしたリノベーションに当たり、自社では社長らをはじめ、世代交代に力を入れている」

 -求める人材と育成方法は。

 「コミュニケーション能力があり、議論がちゃんとでき、実行力がある人。そのためにも考える機会を極力持たせたい。(若手、ベテランなど)年齢にかかわらず、アグレッシブに取り組み、管理能力がある人は引き上げたいと考える。最近は、大卒の社員も増えてきた。マネジメントができるようになるには全ての流れを分かっていないといけないので、若手社員には幅広い部門を経験させている」

 -インバウンド(海外からの旅行)も増えている。

 「日本中の観光地がインバウンドをどう取り込むかという中で、おもてなしをするスタッフに外国出身者を採用している。欧米系、アジア系含め、会社全体で1割に当たる約20人の外国出身者が働いている。海外のプロモーションなどでも、彼らの存在が効いてくると考えている」

 -仕事をする上で影響を受けた人物は。

 修業先のファッションメーカー「ミック」社長の高島司郎さん。レストランも経営しており、そこを任された。高島さんには「ブランドをつくる」ということを徹底的に教えてもらった。そして父(15代弥平治さん)。ブランドをつくるためには「きっちりした哲学を持ち、地に足をつけて取り組まなければいけない」と教わった。

 ★岡崎弥平治氏(おかざき・やへいじ) 玉川大卒。ミック商事を経て1979(昭和54)年、高見屋旅館入社。常務を経て97年に社長。2018年から代表取締役会長。山形市出身。64歳。

 ★タカミヤホテルグループ 中核の高見屋旅館は1716(享保元)年創業。1954(昭和29)年に法人化した。蔵王をはじめ県内外14のホテル、旅館に加え、美術館、酒ミュージアムを運営している。資本金1千万円。従業員数約200人。本社所在地は山形市蔵王温泉54。

【私と新聞】言葉に責任、信頼性に注目
 岡崎会長が新聞など紙媒体の信頼性とクロスメディアの重要性を認識するようになったのは、日本青年会議所のメンバーとして活動していた阪神大震災の時のことだ。

 同会議所では当時、インターネットでの情報配信に取り組み始めており、震災の情報もネットを介して発信していた。だが、いざ現場に入るとその情報と違うことが多くあったという。「正確かどうかチェックせずに情報をどんどん出すと、それをうのみにする人が出てくると感じた」と振り返る。今、多くの人が情報入手の手段としてネットを利用する中で「新聞は言葉に責任が伴う。そこがとても重要だと思う」と強調、ネットとの使い分けを意識している。

 普段は本紙と全国紙、経済紙を併読。本紙では地域情報を頭に入れる。「業界として、新聞記事に取り上げてもらえるようなことをしていくべきだと思っている」とも話した。

【週刊経済ワード】政府税制調査会
 首相の諮問機関で、経済や社会の変化に対応し、中長期的な視点で税制を検討する。学者や企業経営者で構成する。与党の税制調査会が毎年度の具体的な税制改正内容を決めるのに対し、政府税調は税制のあるべき姿について大きな方向性を示す役割を担う。だが近年は政権に配慮し、今後の消費税の在り方など世論を二分しそうなテーマは議論を避ける傾向にある。
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