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永井建設社長
永井敏行氏
永井敏行氏
【インタビュー】
 -業界や自社の現状と展望は。

 「最上地域での仕事は公共事業が中心。ここ数年は東北中央自動車道など高速交通網整備関連も盛んに請け負い、比較的順調に推移している。技術者や労働力不足が顕著なため、直営だけでなく下請けの方々の力も借り、効率良く作業できるよう努めている。おととし最上地域で起きた豪雨被害の復旧工事はここ2年で完了予定。それ以降の仕事量がどう変動するかという懸念は多少ある。このほか、小水力発電の利用推進を県内で図ろうと当社や同業者、有識者などで協議会をつくり、可能性を探っている。本県の貴重な地域資源である水を生かした小水力発電には将来性がある。これにより地産地消を促し、関連産業や地域の活性化につなげたい」

 -求める人材は。

 「地方は人口減少が進み、自然災害は全国的に増えている。地域の安心安全を守る建設業の役割はどんどん大きくなっている。存在感を発揮していきたい。そして『故郷に残りたい』『故郷を守りたい』という若い世代を育てなくてはとの強い思いもある。愛郷心があり、性格が明るく前向きで、コミュニケーション能力も高い人材をわが社で採用できれば最高なわけだが、完璧にそろった人物はそういない。採用後が勝負であり、個々の長所と短所を把握し、社員が一丸となって育て上げようという気持ちが大切だ。魅力のある会社だと思ってもらえるように、各種資格取得への補助、休日の確保など、職場環境のさらなる改善にも努めたい」

 -人材確保へ何が必要か。

 「行政、企業、学校、家庭が一つになり『地元に残ってほしい』という熱意を示さないと、子どもたちには響かない。中学生レベルから職場見学会や出張職業体験などを行い、地元企業の魅力を伝える活動を強化していきたい。少子化もあって本県高校では技術系の学科が減少傾向だが、専門的知識を持つ若手は絶対に必要。見直すための方策がないかを検討してほしい」

 -影響を受けた言葉や人物は。

 「若い頃、中央のゼネコンで働きいろいろな経験をさせてもらった。そこで教わった『現場は生きていて毎日違うのだから、考えて動け』という言葉が頭に残り、この姿勢を大事にしている。人物では元衆院議員の故・近岡理一郎さん(真室川町出身)に引かれた。地域を元気にしようとするバイタリティーにあふれ多くの人を魅了した。いくつかの団体で役職を任される立場となった今、少しでも見習って、地域のために頑張っていきたい」

 ★永井敏行氏(ながい・としゆき) 千葉工業大工学部を1974(昭和49)年に卒業後、中央ゼネコンに勤務。77年、永井建設に入社し常務、副社長を経て2000年、2代目社長に就任。新庄市出身。68歳。

 ★永井建設 1963年(昭和38)年創業で66年に法人化。総合建設工事を主体に戸沢・古口大橋、大蔵・肘折希望(のぞみ)大橋など架橋・道路工事のほか各種砂防ダム工事を請け負う。冬季のインフラ確保のため除雪・道路維持事業にも尽力。本年度は国土交通省から「工事成績優秀企業」認定書を受ける。資本金2千万円。従業員数約45人。本社は新庄市五日町宮内322の1。

【私と新聞】地域の情報、圧倒的多さ
 永井敏行社長が「ないと困る情報源だ」と愛読するのは山形新聞。地域の情報が他紙より圧倒的に多いというのが理由だ。「やまがた再発見」など本県ゆかりの偉人や歴史・文化を詳しく紹介する企画に興味津々で、4地域の多彩な話題が分かる地域版もお気に入りだ。また経済面は、さまざまな企業の経営手法を知り世の中の流れを把握するために、おくやみ欄は不義理をしないために、それぞれ必ず目を通す。

 殺伐とした事件が後を絶たず、載せざるを得ないのは分かるものの憂鬱(ゆううつ)な気分になるという。「だからこそ、各地で頑張っている子どもたちや大人をたくさん取り上げて、明るい気分にさせてほしい」

 また本県や最上地域の現状や課題をもっと知るために、首長らの本音を引き出すような記事を求める。「住民が本気で考えるきっかけになるはずだ」と語った。

【週刊経済ワード】ガソリン価格
 ガソリンや灯油などの石油製品は、産油国から輸入した原油を石油元売り会社が精製して、ガソリンスタンドを経営する小売業者に販売している。元売り各社が精製コストなどを反映させて決めるのが卸価格。小売業者は人件費や利益を加え、競合他社の動きなどを踏まえて最終的な小売価格を決定する。原油の輸入価格は市場の需給や為替相場、世界情勢に影響を受ける。
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