NIBフロントライン

日本・アルカディア・ネットワーク社長
黒沢栄氏
黒沢栄氏
【インタビュー】
 -業界の現状を踏まえ、自社の取り組みは。

 「情報化推進法人として、地方と都市の情報格差をなくすことを目的に設立された第三セクターだ。インターネット事業など情報サービスに軸足を置く会社として当然、第5世代(5G)移動通信システムに関する技術革新やインフラ整備などの動向を注視して、情報収集に努めている。死活問題に直結する、外すことのできない技術だ。通信と放送を融合させる取り組みなど、将来的なビジネスモデルも模索している」

 「一方、コミュニティーFM『エフエムい~じゃん おらんだラジオ』は先月、開局5周年を迎えた。おらんだラジオの会社と広く認知してもらえた効果は大きい。ネット事業は陰で支える仕事が多いため、何をしている会社か分からない方が大半だったからだ。『地域のみんなでつくるラジオ 地域のみんなが聴くラジオ』のコンセプトに徹して、5年間で3368人も出演や見学に来てもらった。防災ラジオは日頃から聴いてもらわなくては緊急時の役に立たない。三セクとしての役割と責務も明確になった。このほかにも、これからの地域に役立つ仕事に力を入れていきたい」

 -求める人材は。

 「個性のある人、むしろとんがった人だ。もちろん短所はあるが長所をいかに使うか考える。特に技術者はとんがった人の方がいい。社員の年代は40歳前後が最も多く、近年は新卒採用を進めており、これからも光る人材を登用する。育成面では社員に自らテーマを見つけてほしいと呼び掛け、提案があれば勉強にどんどん行かせている。一方、長井市ものづくり人材育成推進協議会の会長を任され、長井工業高の生徒が地元に就職する流れを再構築している。人材確保は地域づくりの根幹になるため、三セクのトップとして力を尽くしたい」

 -自らが仕事上で最も影響を受けた人物は。

 「ある上司に『知恵のある人には待遇を与えよ。人をまとめる力のある人には立場を与えよ』と適材適所の大切さを教えられた。この言葉は今も守っている。悩んだ時は書物にヒントを求めた。常に新しいものに挑戦したホンダの本田宗一郎氏やソニーの盛田昭夫氏の本は好んで読んだ。先進的な経済人の言葉の数々が励みになった」

 ★黒沢栄氏(くろさわ・さかえ) 長井工業高卒。サンリット工業(長井市)の取締役工場長、取締役営業部長などを歴任し2002年退職。市内の福祉施設勤務を経て05年、日本・アルカディア・ネットワーク社長に就任。長井市出身。65歳。

 ★日本・アルカディア・ネットワーク 長井市など出資の第三セクターとして1993年に設立。インターネット事業など主に情報サービスを手掛ける。地域活性化と災害対策を目的としたコミュニティーFM「エフエムい~じゃん おらんだラジオ」を2014年に開局。長井、白鷹、飯豊3市町を受信エリアとする。資本金8800万円。本社は長井市館町北6の27。

【私と新聞】存在感の示し方に注目
 山形新聞と日経産業新聞の2紙を購読するほか、時間があれば全国紙にも目を通す。世の中の動きが把握できる経済面を中心に、一通り読み進めていく。また、おくやみ欄のチェックが欠かせないという。「必ず読むという読者は、私以外にもたくさんいるはずだ」と実感を込める。スポーツ面は、大ファンと語るプロ野球巨人の記事が楽しみ。「どんなに大差で負けていようが、ゲームセットまで勝負の行方が分からない点が魅力だ」と力説する。

 インターネットの普及で最新情報がいち早く入手できる世にあって、新聞がいかに存在感を示すのかに注目しているという。「身近な情報が載っていれば読まれるだろう。加えて、深さが求められているのではないか」と指摘。他の媒体より情報の信頼度が高いとしながら「さらに詳しく掘り下げ、事件や事象の背景についても積極的に書いてほしい」と注文を付けた。

【週刊経済ワード】シェールオイル
 泥土が堆積してできた「頁岩(けつがん=シェール)」と呼ばれる硬い地層に含まれる原油。高圧をかけた水で岩盤を砕いて採掘する技術が2000年代に確立された。従来は採算をとるのが難しいとされた深い地層での開発も進んでいる。埋蔵量が多い北米で生産拡大が続き、米国は世界最大規模の産油国となった。世界的な原油価格低迷の要因とされる。頁岩地層に含まれる天然ガス「シェールガス」も開発され、ともに新しいエネルギー源として注目されている。
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