NIBフロントライン

山形丸魚社長
矢野秀弥氏
矢野秀弥氏
【インタビュー】
 -業界と自社の現状、力を入れている取り組みは。

 「“魚離れ”が進んでいる。力を入れていることの一つはスーパーなどに対するメニューの提案だ。素材をどう調理したらよいか困っている人は多い。当社は素材と調味料を扱う強みを生かし、調味料メーカーと一緒に魚を使ったメニューを考えている。例えばタコを食べる風習がある半夏生には、味の素の『ほんだし』や永谷園の『松茸の味お吸いもの』を使ったたこ飯を紹介した。他にも焼き肉のたれとブリを合わせると、おいしいブリの照り焼きができることなど、社員も店頭に立ち、アイデアを消費者に伝えている。小売店の売り上げにも貢献できており、社員は消費者の生の声を聞くことができる。共働き世帯が増え、料理にあまり時間をかけられなくなった。素材をそのまま販売するのではなく、調理しやすいようにある程度加工した商品の提供にも力を入れている」

 -求める人材、人材育成などの取り組みは。

 「新入社員には必ず『山形丸魚の社員である前にいっぱしの社会人であってほしい』と伝える。会社は社会の一員であり、社会で認められる人間であってほしい。規律ある行動はもちろん、PTAや地域行事に積極的に参加することも大切だ。また、『もし会社の命令が正義に反することであれば、自分の良心に従って判断、行動するように』とも言っている」

 「私たちが商品を販売する相手は小売店や飲食店だが、その先の消費者に手に取ってもらわないといけない。消費者、生活者を見据えた提案力が必要になる。その力を養うためにも当社では営業職の社員も魚をおろしたり、煮たり焼いたりできるように育てている」

 -仕事上で最も影響を受けた人物は。

 「一人は菱食(現三菱食品)で社長、会長だった広田正氏。食品卸売業を産業まで高めた人物だ。もう一人は祖父で当社の初代社長の矢野善助。祖父は山形商工会議所会頭や山形信用金庫理事長を歴任したほか、日大山形高の前身の山形一高の創設に関わり初代理事長を務めた。祖父には全く至らないが、私も山形の発展の一翼を担えればと考えている」

 ★矢野秀弥氏(やの・ひでや) 慶応大経済学部卒。岩手県でスーパーを展開する高豊、水沢魚市場(現メフレ)で勤務後、1980(昭和55)年に山形丸魚入社。山形中央水産常務、山形丸魚常務、同専務を経て2006年より現職。県水産物卸売協会長、全国魚卸売市場連合会副会長、山形商工会議所副会頭を務める。山形市出身。67歳。

 ★山形丸魚 生鮮水産物・加工品を主とした総合食品流通業。1942(昭和17)年、県内の個人問屋が集まり県海産物配給統制組合として創業。45年、同組合解散後に最上・村山・置賜の関係者が県海産物荷受販売組合を設立。53年に株式会社化し現在の社名に。2012年に山形中央水産を経営統合した。資本金1億円。従業員数235人。山形市公設地方卸売市場に山形支社を置くほか、米沢、長井、村山、新庄、酒田に営業所・事業所がある。本社所在地は天童市石鳥居2の2の70。

【私と新聞】気になる話題、社員と共有
 矢野秀弥社長は興味がある新聞記事などをスクラップし、感想を添えて毎週月曜日に「矢野通信」として社員にメール配信している。

 「山形新聞では『気炎』や『時鐘』などのコラム、社説を興味深く読んでおり、矢野通信の参考にさせてもらっている」。配信は常務時代からで15年目。750号を超えた。「私の物事の感じ方、考え方、気にしていることを社員と共有したい」との思いを込める。

 「地方紙として頑張っている」と本紙を評価。特に、2015年に自民党の若手議員らが報道機関に圧力をかけようとする発言に対し、本紙が社長名で「言論封殺を許すな」との緊急声明を出したことを挙げ、「タイムリーに社としての意見を表明することは大変いいことだ」と語った。

【週刊経済ワード】クロマグロの資源管理
 乱獲などで太平洋クロマグロの親魚の量が激減したことを受け、関係国が漁獲枠を設けるなどして回復に取り組んでいる措置。日本近海を含む海域を管理する中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)は2015年に、30キロ以上の大型魚の漁獲上限を02~04年平均とし、30キロ未満の小型魚は半減とする規制を導入。これを受け、国内でも大型魚と小型魚でそれぞれ漁法別や都道府県別に漁獲枠を割り当てている。
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