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伊藤製作所社長
伊藤明彦氏
伊藤明彦氏
【インタビュー】
 -業界と自社の状況は。

 「自動車と半導体製造装置の部品が主力製品。自動車業界は100年に1度の大変革期と言われ、自動化、電動化が急速に進んでおり部品生産は堅調だ。半導体は好不調の波が大きい業界。米中貿易摩擦などの影響で、1年半前から急激に落ち込んでいる。世の中は半導体を求めており中長期的には成長するが、あと1年は厳しい状態が続く。変化の中でどう生き残るか模索している。ただ、われわれはその流れをコントロールできない。情報を得ながら状況を見て、経営のかじ取りをしなければいけない」

 -求める人材は。

 「高卒者は普通高校出身者が多く、すぐには専門的な知識や技術を求めない。入社後に力を伸ばしてもらう。産業技術短期大学校の卒業者は高卒後に2年間、専門知識を学んでおり、力を発揮できる部署に配属する。大卒者はさまざまな経験を持つ中途採用が中心だ。2~3時間も面接したところで、第一印象に勝るものはない。明るく元気で前向きに仕事に取り組んでくれる人なら大歓迎だ。問い掛けた時の反応の早さ、人間性の良さも求めたい」

 -仕事に必要な能力は。

 「仕事をする上では仕事力と人間力の双方を磨かなければいけない。仕事力とは利益を生み出す力。人間力とは打てば響くような返事、明るいあいさつ、すぐ動ける行動力に代表される。売り上げ、利益を上げるだけではだめ。仕事力と人間力の両方を磨くことを勧めたい。私は倫理法人会に参加しており、仕事の心構えを紹介する『職場の教養』を朝礼で活用し、人間力を磨く場としている。外部の講演会に出席し、話を聞いてもらう機会も設けている。製造業の仕事は外部に出ること自体が刺激になる」

 -研修制度の活用は。

 「社員には一般、幹部、役員の役職別研修も受けてもらっている。普段は触れない価値観に触れ、自らを高める機会になる。仕事に関わる研修受講や国家資格取得も奨励しており、資格保持者が講師となり社員同士が切磋琢磨(せっさたくま)している。自ら勉強する方向に導くよう、制度設計をしている」

 -仕事で影響を受けた人物は。

 「京セラ創業者の稲盛和夫名誉会長と、倫理運動と呼ばれる生活改善運動を創始した丸山敏雄氏。稲森氏は『全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献する』を経営理念とした。その思いに感銘を受け、経営者としての気持ちの持ち方を学んだ。当社の人間力を磨く勉強会は丸山氏の考え方がベースだ」

 ★伊藤明彦氏(いとう・あきひこ) 早稲田大理工学部卒。自動車部品メーカーを経て、1979(昭和54)年に家業の伊藤製作所入社。製造現場勤務を経験した後、工場長、専務を経て92年から社長。山形市出身。66歳。

 ★伊藤製作所 1947(昭和22)年に山形市八日町でミシン部品の製造会社として創業。現在は自動車、半導体製造装置、産業機械、建設機械、繊維機械に使われる精密部品の製造を手掛ける。従業員数は約60人。資本金5千万円。業務拡張のため、2017年に同市南栄町1丁目から「蔵王みはらしの丘」の産業エリアに本社と工場を移転した。所在地は同市みはらしの丘5の1の3。

【私と新聞】記事や広告掲載、動機づけに
 毎朝4時に起床し、午前5時には出社するという伊藤明彦社長。夜勤明けの社員とあいさつを交わし、工場内の点検を済ませた後、午前5時すぎからを「ゴールデンタイム」と呼び、新聞、メール、経営戦略を確認する時間に充てている。

 朝は山形新聞、全国紙、業界紙、経済紙の4紙を読むが、一番大事なのが山形新聞だという。「山形の政治、経済、社会の状況がどうなっているかは他の新聞には決して載らない。経営者としては山形新聞は必須だ」と語る。経済面は最初に目を通し、お悔やみ欄も必ずチェックする。

 自社が載った記事、広告は必ずカラーコピーし、社員全員で閲覧する。「社員の写真が載ると家族がすごく盛り上がる。記事、広告の掲載が社員のモチベーションアップにつながっている」と話す。山形新聞に対し「今後も全国紙に載らないような記事を掲載し続けてほしい」とした。


【週刊経済ワード】景気動向指数
 国内景気の全体的な動きを捉えるため、毎月公表される統計。景気の現状を示す一致指数は、速報段階では鉱工業生産指数や有効求人倍率など景気に敏感に反応する7指標を使って算出。指数の推移を分析し、基準に沿って機械的に「改善」「足踏み」「局面変化」「悪化」「下げ止まり」の5段階で基調判断を示す。さまざまな指標を用いる政府の公式な景気判断とはずれが生じることがある。
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