NIBフロントライン

ウエノ社長
上野隆一氏
上野隆一氏
【インタビュー】
 -業界と自社の現状、力を入れている取り組みは。

 「雑音防止用コイル、ノイズフィルターコイルと呼ばれる、電子機器の誤作動の原因となる信号対策用の電子部品を作っている。パソコン、テレビなどの電源回路に組み込まれ、制御機能のある機器には欠かせない部品だが、中国との激しい競争にさらされ、同業他社は海外に製造拠点を移している。当社は、ノイズ除去の特性に優れた製品『ウエノコイル』を開発し、コイルでは難しかった生産用機械の導入にも取り組んできた。知的財産権によって差別化を図るとともに自動化を推し進めていく。人手不足の中で省力化と品質の安定、価格の抑制が欠かせない」

 -求める人材、能力は。

 「競合他社が安易にまねできない創意工夫が必要だ。設計で世界一を目指したいという人材を採用したい。技術は無くてもいい。発案し、挑戦できることを重視している。私自身、技術系の学校を出ているわけでないが、ウエノコイル、自動化を発案した。製品を穴があくほどじっと見ていると考えが浮かんでくる。モチベーションを高く持ち、『まずやってみたい』と思うことが大事。現場教育ではノイズの測定・試験機器の操作を指導している。製品の効果を『見える化』することで技術的な方向性を示し、ゴールに向かって進む力につなげている。少数精鋭で大きな仕事をしたい」

 -そのような能力は、どうすれば身に付くのか。

 「新卒時は、自分で物事を考え行動する能力が欠けている。自信が無いから動けないのだろうが、寒いときに戸を閉めることすらできないのでは困る。自ら聞き動くことが大切で、研修で身に付くものではない。仕事をする中で、そのような自分をつくっていかなければならない」

 -仕事上で最も影響を受けた人物は。

 「新田嘉一平田牧場会長と小野木覚大商金山牧場会長。共に自己主張が強く、自分が考えたことを実現するために突き進む力がずば抜けているが、人に対して非常に気を使い、きめ細やかに接する。組織をつくり、維持するためには2人のようなリーダーシップが必要で、後ろから見て学んでいる」

 ★上野隆一氏(うえの・りゅういち) 庄内農高から農水省農業者大学校に進み、卒業後は約10年間、農業に従事。1982(昭和57)年に上野製作所を創業し、96年にウエノとして株式会社化。2010年に文部科学大臣科学技術賞受賞。15年から出羽商工会長。藤島町(現鶴岡市)出身。70歳。

 ★ウエノ 電磁波ノイズ除去のコイル製造を手掛ける。従来品に比べて幅広い周波数帯域をカバーできるウエノコイルを2011年に開発し、独自の自動巻き線機も導入。世界シェア約1割を占め、14年に経産省「グローバルニッチ企業100選」の選定を受けた。藤島、三川の両工場、大阪市に大阪営業所、中国とタイに工場がある。資本金2億8270万円。海外を含めた従業員数は約300人。本社は鶴岡市三和堰中100。

【私と新聞】新聞社としての主張に期待
 新聞は複数紙を購読しているという上野隆一社長。午前6時すぎに起き、30~40分ほどのウオーキングをしてから新聞を読むのが日課になっている。「情報はさまざまな場面で応用できる」と、各紙とも満遍なく目を通し、特に1面はじっくり読み込む。

 国際的な政治の動きに関心があり、先月30日のトランプ米大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の電撃的な会談を伝える記事は「一国の責任者が、ここまでできるのか」と驚きを持って読んだという。おくやみ欄も必ず読む。「お世話になった人に不義理をしないで済む。最後の別れができないと、心に悔いが残る」

 新聞の良さは、関心がある記事を読み返すことができる点と、多様な記事の中から気になる話題を選ぶことができることという。「中立の立場だけでなく、新聞社としての主張も打ち出してほしい」と求めた。

【週刊経済ワード】東アジア地域包括的経済連携(RCEP)
 日本、中国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)、インド、オーストラリア、ニュージーランドの計16カ国が参加する経済連携協定(EPA)。2013年に交渉を開始し、関税の引き下げや知的財産保護、電子商取引などのルール作りを進めている。実現すれば世界の人口の約半分、貿易額と国内総生産(GDP)のそれぞれ約3割を占める広域経済圏となる。
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