NIBフロントライン

鈴木製作所社長
鈴木重幸氏
鈴木重幸氏
【インタビュー】
 -業界と自社の現状、力を入れている取り組みは。

 「当社事業は家庭用ミシンと、菓子や野菜などの包装機開発・製造・販売の大きく二つ。家庭用ロックミシン『ベビーロック』は、東京のベビーロック社に国内外向けの販売をお願いしている。家庭用ミシンの国内販売台数は昭和40年代にピークを迎えてから右肩下がりで、ここに来て底を打った印象だ。近年は台湾など海外メーカーとの価格競争になってきているが、当社ミシンは自動で縁かがりをするロックミシンで、その中でも高級なため、価格競争には巻き込まれていない。世界で年間約80万台が販売される家庭用ミシンのうち、当社商品は約5万台。最近はドイツやフランスでの販売が伸びており、赤ちゃんや子どもに手作りの服を作って着せる母親の増加が背景にある。技術革新にも挑戦しており、ベビーロック誕生50周年モデルに、世界で初めて空気の力で針の穴に糸を通す機構を搭載、おととし発表した」

 -求める人材、人材育成などの取り組みは。

 「毎年、新卒と中途で2~5人を採用している。自分で考え、自分で行動でき、前向きな考えを持っている若者に入社してもらいたい。またそのような社員に育てていきたい。市場が成熟している今、新しい市場を開拓していける人材がいなければ、成長している中国や東南アジアなどと勝負できない」
 「外部講師を招き、ものづくりの基礎や意識改革を学ぶ勉強会を開いている。マニュアルとは『最低限すべきこと』だと思っている。ものづくりには文章に表せない『大切なこと』がある。そうした大切なことは、先輩から後輩に、人から人にしっかりとつないでいく。社内の親睦や風通しの良い職場環境づくりを目的に、さまざまなイベントを企画している。父(重雄前社長)の代から毎月誕生会を開き、全社員に昼食を用意して、誕生日を迎える社員にはケーキを贈っている。私が社長になってからは年1回、女性社員と社長の懇親会を開いており、要望や不満などを直接聞いている」

 -仕事上で最も影響を受けた人物は。

 「京セラ創業者、稲盛和夫名誉会長の経営哲学を学ぶ勉強会・盛和塾に30代後半から参加した。例えば『人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力』という人生方程式からは、いかに努力が大切かを教えていただいた。40代後半からは倫理法人会にも参加しており、人としてどう生きるかを学んでいる」

 ★鈴木重幸氏(すずき・しげゆき) 日本大生産工学部卒。日立精機、ジューキ(現ベビーロック)で勤務し1987(昭和62)年、鈴木製作所入社。常務、専務を経て2009年より現職。山形市出身。59歳。

 ★鈴木製作所 1929(昭和4)年に鈴木重幸社長の祖父光蔵氏が鍛冶屋として創業し、53年に法人化。家庭用ロックミシン「ベビーロック」のほか、菓子や野菜などの包装機を製造する。空気の力で瞬間的にルーパー糸を通す「ジェットエアスルーシステム」、空気圧で針に糸を通す機能など、世界初の技術が搭載されたミシンを発表している。東京都千代田区に東京営業所を構える。資本金6500万円。従業員120人。本社は山形市嶋南1の12の7。

【私と新聞】経営者紹介が楽しみ
 山形新聞と経済紙を愛読する鈴木重幸社長がよく目を通すのは、「NIBフロントライン」など、山形の経営者や活躍している人物を紹介する記事だ。「各業界トップの年頭所感もしっかり読む」。プライベートでは、旅や好きな車の話題を楽しみにしている。

 印象に残っている記事に「2008年のリーマンショック」を挙げる。当時、鈴木製作所は順調に売り上げを伸ばしていた。「なぜこんなことになるんだ」と憤りながら毎日、新聞を広げた。翌09年に専務から社長に就任。新商品をリリースし、売り上げダウンを最小限にとどめることができた。「厳しい状況でも、お客さまが望む商品を提供できれば売れるということ、不況だから物が売れないのではない、ということを学んだ」と振り返る。

 これからの新聞には「今の若い世代が何に興味を持っているのか、どんなことに生きがいを感じるのかを伝えてほしい」と語った。

【週刊経済ワード】植物由来プラスチック
 トウモロコシやサトウキビなどバイオマス(生物資源)を配合したプラスチックの総称。ポリエチレンなどの合成樹脂を原料とするプラスチックの代替品として利用される。石油の消費量を減らせるほか、焼却した際の二酸化炭素(CO2)削減効果も期待できるとされる。バイオマスプラスチックとも呼ばれ、微生物によって分解可能な「生分解性プラスチック」と区別される。
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