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蔵王カンパニー社長
伊藤八右衛門氏
伊藤八右衛門氏
【インタビュー】
 -旅館・ホテル業界と蔵王温泉の現状は。

 「蔵王温泉は東日本大震災後の落ち込みが激しかった。火口周辺警報で大変だった時期を経て、客足は約35万人と震災前の水準にだいぶ戻ってきている。年間では観光客が集中する時期と閑散期があり、一年を通して観光客が訪れる観光地にしていく必要がある。情報化時代はインターネットでさまざまな情報を入手できるため、全国各地の温泉地が競争相手となっており、逆にチャンスと思っている。外国人観光客は昨年度1割を超えたが、一方で日本人スキー客は減っている」

 -現状を踏まえた自社の取り組みは。

 「四季型という点では、お風呂に特に力を入れている。蔵王国際ホテルが旅行予約サービス『楽天トラベル』の雪見風呂が楽しめる人気温泉宿ランキングで1位の評価を得た。今の時期であればエゾハルゼミの鳴き声と新緑など、雪以外の豊かな自然もアピールしていきたい。全てにおいて質を上げるように努めている。最近は少しぜいたくに、良い商品を、というニーズが増えていると感じる。ネットに書き込まれる口コミにも気を使う。改善できるところは改善し、良いところは伸ばすなど、さまざまな要望に速やかに細やかに対応するようにしている」

 -求める人材と育成方法は。

 「人と接することが好きな人、ということに尽きる。接客が好きだと、お客さまのニーズをきめ細かく把握し対応することが自然とできる。人材育成では、定期的に勉強会や具体的な場面を想定したロールプレーイングを行っている。例えば食事中にお客さまが箸を落とした-などと細かい場面設定をして取り組む。自社は震災後、観光客数が落ち込んだ時も人員整理をせず、ワークシェアリングなどで乗り切った。この時の経験により、従業員がワンランクアップし、サービスのレベルが良くなったと感じている」

 -影響を受けた人物は。

 「学生時代に読んだマックスウェーバー、それに渋沢栄一、福沢諭吉の3人。資本主義の健全な発展には倫理観が必要で、ウェーバーや渋沢の考え方が自分には合う。福沢諭吉の『独立自尊』の言葉も大事にしている。弱い立場の方への配慮を忘れず、損得で動かないことを大事にしている」

 ★伊藤八右衛門氏(いとう・はちえもん) 慶応大経済学部卒。卒業後、近江屋旅館に入社。専務を経て38歳で社長に就任。税理士資格を持ち、蔵王温泉観光協会長も務める。山形市出身。70歳。

 ★蔵王カンパニー おおみや旅館、蔵王国際ホテル、蔵王四季のホテルを運営する。口伝では1000年ごろ創業。1953(昭和28)年近江屋旅館として法人化。78年蔵王国際ホテルを開業。90年に蔵王カンパニーに社名を変更する。2003年蔵王四季のホテルを開業した。資本金5千万円。従業員数約100人。本社所在地は山形市蔵王温泉46。

【私と新聞】ためになる記事、社内回覧
 新聞は毎日ぱっと手に取るという伊藤八右衛門社長。「お世話になった人への礼節から、最初におくやみ欄に目を通す」という。

 他の面は、ニュースを見落とさないように1面から順序よく読んでいく。観光産業にまつわるニュースをはじめ分野を問わず、参考になる記事は切り抜いて社内で回覧する。蔵王に関する記事も多い。「最近だと(枯死が問題となっている)アオモリトドマツの試験移植の件。蔵王に関することも、正確に伝えてもらうことが一番だと思っている」と話す。書評欄で紹介された本に興味を持ち、購入することもある。

 印象に残るのは知り合いが登場した記事。「学生時代の親友が全国紙で紹介され、連絡を取った」と笑顔で振り返った。

【週刊経済ワード】保護主義
 関税引き上げや輸入規制で貿易を制限し、自国産業の振興を優先する考え方。第2次世界大戦の原因の一つとして、主要国が保護主義に走り、世界経済が停滞に陥ったことが指摘されている。以降、国際社会は自由貿易を推進。世界貿易機関(WTO)を中心とする多国間の枠組みを重視してきた。20カ国・地域(G20)も保護主義への対抗姿勢を鮮明にしてきたが「米国第一主義」を掲げるトランプ米政権の誕生で結束が揺らいでいる。
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