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山形工房社長
梅津雄治氏
梅津雄治氏
【インタビュー】
 -業界の現状を踏まえ、自社の取り組みは。

 「けん玉は子ども中心の文化なので、少子化の影響で市場が縮小しているのが現状だ。ただ、2013年ごろから3年間くらいブームがあった。海外のストリートカルチャーとして人気に火が付き、軽快な音楽に乗って個性的な技を繰り出すパフォーマンスが日本に逆輸入される形でテレビや雑誌に取り上げられ、ファッションとしても若者の関心を集めた。主に中国から安価な製品が輸入され、大手玩具メーカーも新商品を売り出すなど、市場が大きく動いた時期だった」
 「ブーム中は注文が飛躍的に増えたが、無理に量を増やすような投資はせず、従来通り堅実に高品質の製品を提供し続けた。その前から普及活動に地道に取り組んできたので、大手スポーツクラブが健康プログラムに取り入れるなど、新たな領域にけん玉文化が広がった点は良かった。現在は欧米やアジアの約40カ国に輸出している。けん玉は3世代で楽しめるもの。おしゃれに持ち歩けるアイテムとしてデザインや材質を変革したり、高齢者の認知症予防や健康づくりに役立ててもらおうと、皿が大きく軽くて扱いやすい『福祉けん玉』を開発するなど、近年は大人向けの製品に力を入れている」

 -会社が求める人材と育成方法は。

 「粘り強く、謙虚さと向上心のある人が望ましい。加工機械の構造や刃の特性などを把握した上で、ブナやヤマザクラなどの木材の性質を読み解き、最適な加工方法を選ぶ必要がある。時間をかけて学び続けないと一人前になれない。習得した技術の達成度を『見える化』するため、独自のマイスター制度を導入した。難易度に応じて細かく分類し、その出来具合を一つ一つ評価する。併せて自己評価もさせ、高品質の製品づくりを維持している」

 -仕事上で影響を受けた人物は。

 「製造部門を担う創業者の祖父鈴木与三郎(84)と会長の兄鈴木良一(37)だ。苦労人の祖父に経営者としての考え方を教わったほか、技術者である2人から品質を守る大切さを学んだ。けん玉は3万種類の技がある奥深い文化。これに対応するため、高品質・高精度の製品が求められる。私が経営部門を引き継いだが、『悪いものは出さない』という2人の哲学は常に心に留めている」

 ★梅津雄治氏(うめつ・ゆうじ) 中央大経済学部卒。警察官として警視庁勤務を経て2008年、実家が経営する山形工房に入社。常務から09年、社長に就任。長井市出身。33歳。

 ★山形工房 1973(昭和48)年創業の木地玩具・民芸品製造「山形博進社」が前身。77年に競技用けん玉製造を開始。78年、日本けん玉協会指定工場に選ばれ、競技用けん玉生産量日本一を誇る。92年に有限会社「博進社」として法人化し2005年、現社名へと変更。15年に「ものづくり日本大賞」受賞。社員数11人。資本金800万円。本社は長井市寺泉6493の2。

【私と新聞】輸出に関係、国際情勢を確認
 梅津雄治社長の新聞の読み方は、1面から大まかなニュースをつかんでいくタイプ。身近な市町村や県の動向のほか、海外取引があるため国際情勢もチェックするという。

 最も熱心に読むのは経済面。県内企業の新規事業や行政の新たな制度などを確認するほか、業種が近い他社の動向、一緒に仕事ができそうな話題、輸出に関係する税制なども把握していく。「山形新聞は日曜日付の経済面が1ページになってしまうが、通常通り2ページにしてほしい」と要望する。また「第一線で活躍されてきた経営者の考え方や履歴を紹介する連載、特集が大好きなんですよ」と話し、気になる記事は切り抜きしている。

 「新聞の良さは全体の情報が満遍なく、いつでもどこでも読めること。信頼できる情報が一覧できる」と梅津社長。知識の幅が広がり、社会生活する上で欠かせないと感じている。

【週刊経済ワード】就活ルール
 学生の就職活動が早まることで学業に支障が出ないよう、企業の採用日程に関して定めたルール。1953年に政府と大学、産業界が選考日程を申し合わせた「就職協定」が結ばれたが、解禁破りが横行。協定の廃止や、「倫理憲章」の制定といった変遷を経て、経団連が指針をつくり加盟企業に順守を求めてきた。ただ加盟していない新興企業や外資系企業の採用が先行して人材獲得競争で不利になるとの不満が加盟企業に根強く、昨年10月に廃止した。
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