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出羽桜酒造社長
仲野益美氏
仲野益美氏
【インタビュー】
 -酒造業界の現状は。

 「国内ではアルコール全般が振るわず、日本酒出荷量は最盛期の3分の1に減った。一方で、輸出は好調で毎年、輸出量が10%、輸出金額が20%それぞれ増えている。県内酒蔵は8割以上が輸出に取り組み、輸出量は東北1位。各蔵に後継者も多く、将来は明るい。本県酒造業界は人が耕した道を歩くのではなく、先輩方が築いた歴史と伝統を踏まえ、自ら耕し、種をまく業界でなければならない」

 -求める人材は。

 「素直な心と向上心、明るさを持った人だ。明るさには、明朗活発、精通、透明性の三つがある。明朗活発は性格的な明るさ、精通は知識の深さや話題の豊富さ、透明性は誰に対しても公平に接すること、何にでもフラットなスタンスを持つことだ。人生には師が大事。上司の話を聞き入れるため、素直な心は必要になる。しかられ上手になってほしい。現状維持は衰退。向上心を持ち、一歩でも前に進む気概が求められる」

 -どのような能力、努力が必要か。

 「人は人と接することで磨かれ、磨かれることで光り輝く。人と会う努力をしなければ自分を磨くチャンスを失う。自分の都合の悪いときこそ一歩前に踏み出し、人と会う勇気が必要。さまざまな人と接し、いろいろな経験を積むことを求めたい。本を読むことも大事。学生時代の成績が社会で通用するとは限らない。本当の勉強は社会に出てから。当社は現場を大切にしており、入社後3年間は製造担当社員に営業現場、営業担当社員に製造現場を経験してもらう。お互いの現場を知ることは大切だ。会社、商品に自信と誇りがなければ発展はない」

 -仕事上で影響を受けた人物は。

 「1人目が元県工業技術センター所長で県酒造組合特別顧問の小関敏彦さんだ。酒造りに終着点がないと学び、小関さんがいなければ今日の私はない。小関さんの指導を受け、私は32年前から今も毎年、自ら大吟醸酒を醸造している。小関さんは酒に対する深い思いを持っており、山形県の宝だ。もう1人は元山形美術館長の加藤千明さん。わが社は出羽桜美術館を所有し、運営に加藤さんから助言を受けている。酒と同じく芸術文化は人生を豊かにする。芸術の奥深さ、魅力を教えていただいた。この2人には影響を受けた。外部に師がいることは本当にありがたい」

 ★仲野益美氏(なかの・ますみ) 東京農業大農学部卒。国税庁旧醸造試験場、東京の酒類卸会社を経て、1987(昭和62)年に家業の出羽桜酒造入社。取締役、専務を経て2000年から社長。県酒造組合会長、日本酒造組合中央会海外戦略委員長も務める。天童市出身。57歳。

 ★出羽桜酒造 1892(明治25)年創業。主力銘柄「出羽桜」の他、「雪漫々」「一路」などの銘柄がある。品質は世界トップ級で、各種品評会、コンテストの入賞歴が数多い。社員数64人。資本金2千万円。山形市上町1丁目にも山形蔵がある。本社所在地は天童市一日町1の4の6。

【私と新聞】山形色豊かな紙面に注目
 仲野益美社長は、県産酒は県民に愛され育まれたと考え、地域を大切にしたいとの思いを抱いているという。そのため「地域情報が最も豊富な地方紙は素晴らしく、得られるものは大きい。山形新聞にはそこを大切にしてほしい」と話す。

 情報はインターネットなどさまざまなツールで得られるが、「本物の情報をきちんと整理しており、信頼が置けるのは活字メディアだ」。必要な記事だけを選んで読むのではなく、周辺の記事を見て情報を得られる一覧性も利点と感じる。

 本紙の「日曜随想」は幅広い分野の筆者が執筆し、山形色が出て好きだという。仕事柄、広告にも目を通す。仲野社長は「山形新聞は広告も山形色豊か。注目して見ている」と語る。

【週刊経済ワード】株式公開買い付け
 不特定多数の株主から株式を大量に買い集める、企業買収などの手法の一つ。英語の頭文字をとって「TOB」とも言う。取得株数や価格、期間を公表し、株主に売却を呼び掛ける。対象企業の経営陣の同意を得ないまま一方的に行うものを敵対的TOB、逆に協力的な場合を友好的TOBと呼ぶ。
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