NIBフロントライン

酒田酒造社長
佐藤正一氏
佐藤正一氏
【インタビュー】
 -業界の現状を踏まえ、どんな人材を求めるか。

 「日本酒の国内販売総量は今も減少傾向だが、おいしい酒は選ばれる時代だ。醸造技術、酒米、製造装置の進化を背景に品質は年々高まり、今が一番おいしいし、来年はもっとおいしくなる。その味を世界が評価するようになって輸出も伸びている。本県は全国に先駆けて各酒蔵と県、関係者が協力し、情報交換と研さんを重ねて品質を追求してきた。技術は県外にも公開し、日本の酒蔵の力を底上げしてきたと言っていい。その結果が地理的表示(GI)保護制度での県産清酒『山形』の指定(2016年)であり、今年の山形市でのIWC日本酒部門審査会開催だろう。つくり手と同様に飲み手も成長しており、その結果、県産酒のような良質な酒を評価する消費者が増えている。そうした消費者は酒造りの深部まで知りたがる。応えるには、営業担当であっても製造の経験が必要。飲むのに飽き足らず、酒を造りたい、そんな意欲のある人がほしい。好きこそものの上手なれだ」

 -必要な能力、努力は。

 「健康と明るさ、学ぶ力、高い応用力を求める。物事を多角的にとらえ、決まり切った手法、筋道以外でも解決策を考えられる力を育ててほしい。酒造りに欠かせないこうじ菌、酵母菌という目に見えない微生物にも、きめ細かく心を配れる姿勢も持ってほしい。そのためには、酒造業界の枠を超えてさまざまな人と交流し、会話の仕方、努力の仕方を学んでほしい。聞く耳を持つことが大切だ」

 -仕事上で最も影響を受けた人物は。

 「先輩杜氏(とうじ)で秋田県由利本荘市の斎弥酒造店常務の高橋藤一さんからは大きな刺激を受けた。30年以上前に庄内と由利本荘地域の酒蔵が新酒を持ち寄り、始めた利き酒会で出会った。製造過程で先駆的なことに挑戦され、データもしっかり取られている。今ではどの酒蔵でもやっていることも最初は高橋さんがリスクを負って取り組まれた。教科書に書いていない裏の話や、酵母菌・こうじ菌の気持ちまで考えるような杜氏としての在り方も学んだ。自分は杜氏兼社長なので高橋さんの話をヒントに新しいことにすぐ実践できたことは幸運だった」

 ★佐藤正一氏(さとう・しょういち) 東京農大醸造学科(現醸造科学科)卒。1970(昭和45)年、酒田酒造に蔵人として入社。3年後に杜氏に就く。常務を経て97年に5代目の社長に就任した。酒田市(旧平田町)出身。71歳。

 ★酒田酒造 酒田飽海地域の五つの蔵元を合併した「飽海銘醸」を経て1947(昭和22)年に酒田酒造として創業した。「上喜元」などを製造。本社のある日吉町は鳥海山の良質な伏流水が湧き出るため酒蔵が建ち並んでおり、現在の製造拠点は合併された蔵元のうち、橋本酒造場、五十嵐酒造場を活用している。2017年には同市の京田西工業団地に新工場を稼働させた。資本金1700万円。従業員数は仕込みの最盛期で約25人。本社所在地は酒田市日吉町2の3の25。

【新聞と私】人生豊かにする素材
 新聞は人生を豊かにしてくれる素材の一つ。山形新聞であれば同業他社の新商品や事業の記事だけでなく、地域の話題、多彩な筆者がいる日曜随想、投稿欄など、幅広いコーナーに目を通す。最近面白いのは、小中学生新聞の週刊ヨモーニャぱーく。大人が見ても分かりやすく、子どもたちに伝えてもらいたい郷土の昔話なども掲載されている。

 忙しくても時間の合間合間で興味のある記事を読む。テレビなどのニュースは事実のポイントをかいつまんでいる印象だが、新聞は物事の背景などを掘り下げてまとめてあるのが優れている点だ。毎日行っている朝礼の中で紙面から話題を拾うこともある。自分1人では、そんなにたくさんの人と会って情報交換ができないが、新聞を読めば多様な分野の出来事、社会の変化、人の考えを知ることができる。

【週刊経済ワード】中小企業税制
 地域の経済、雇用を支える中小企業の役割に配慮し、税負担を軽減する制度。資本金が1億円以下の企業を対象とし、大企業より手厚い措置を設けるのが通例だ。地域未来投資促進税制のほかにも、幅広い設備投資を促す「中小企業投資促進税制」や「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」などがある。
文字サイズ変更
  • 小
  • 中
  • 大

県内8市発行メールマガジン登録無料

ふるさとだより

毎週木、金曜日配信中!

ニュース特集

スポーツ

教育・子育て

おでかけ

暮らし情報

twitter発信中

山形新聞からお知らせ

  1. 【2019年8大事業】
     山形新聞、山形放送の2019年の8大事業が決まりました。詳しくは、こちらから
  2. 【やましん公式FB】
     山形新聞社は、インターネット交流サイト「フェイスブック(FB)」の公式ページを新設しました。
     公式ページでは山形新聞のニュースのほか、本社からのお知らせなどを中心に紹介します。
     アドレスは、こちらから
  3. 【やましんe聞で動画視聴】
     読者限定の電子版「やましんe聞」で動画を閲覧できる新サービスを始めました。詳しくは、こちらから。
  4. ◆中学、高校の各種スポーツ大会の記録を紹介。検索機能も備えています。アクセス方法はこちら
  5. ◆探したい記事がきっと見つかる、山形新聞記事データベース。他社DB横断検索が便利な日経テレコンジー・サーチファクティバ
  6. ◆県外でも今日の朝刊が朝一で読める「お届け電子版
  7. ◆ニュース速報、高校野球、モンテ情報… 身近な情報を携帯で確認「モバイルやましん
  8. ◆故郷の話題をメールでお届け、ふるさとメール会員募集(登録無料)
山形新聞から
販売から