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シェルター社長
木村一義氏
木村一義氏
【インタビュー】
 -業界の現状を踏まえ、どのような人材を求めているのか。

 「木造建築の世界は徒弟制度で、棟梁(とうりょう)の技を弟子が習得し職人になるという伝承型だった。当社が取り組むエンジニアード・ウッド・ストラクチャー(構造計算ができる強度の高い木構造)は在来工法とは別物。技術の有無が明確に表れる時代になった。求めているのは外部からのプレッシャーで動くのではなく、期待されていることを察知し動く内燃機関型の人材だ。そして、向上心、チャレンジ精神にあふれ、愚直に物事が成就するまでやり続けることができる人だ。最近は額に汗することもせず、合理性や効率ばかりを求める人が多いように思う」

 -社員にはどのような努力が必要か。また会社の教育は。

 「技術や仕事の遂行能力以前に、正しい物の見方、考え方ができる人になってほしい。そのためには『徳性』を高める努力が重要になる。心の清らかさ、人に尽くす心、正直、勇気、謙虚などを先輩は教えられるようになってほしいし、後輩は学ばなければいけない。教えてくれる人がいなければ本を読んでもいい。会社は毎週土曜日午前8時半から同10時まで、新入社員を中心に人間力を高める内容の本を輪読する読書会を開き、意見を出し合っている。私も出張の日でない限り参加している」

 -これまでの人生で影響を受けた人物は。

 「多すぎて答えに困る。『我以外皆我師』という気持ちで生きてきた。あえて挙げれば、佐藤一斎(儒学者)、森信三(哲学者)、西郷南洲、安岡正篤(陽明学者)の4人の先生だ。本では四書五経の論語と易経。これらには真理や原理原則が書かれている。4人は皆、『高い志を立てよ』と言っている。そしてもう一つの共通点は『謙虚』だ。安岡先生は『ただ謙のみ福を受く』と言っていた。経済人でも政治家でもトップになると権力に比例するようにおごり高ぶってしまう。そして周りは口をつぐむ。気付いた時には手遅れという点で、横柄と傲慢(ごうまん)はがんと同じだ。上に立てば立つほど自分を厳しく見詰める謙虚さが求められる」

 ★木村一義氏(きむら・かずよし) 1972(昭和47)年に足利工業大工学部建築学科を卒業後、米カーネギーメロン大大学院で建築を学ぶ。24歳でシェルターホーム(現シェルター)を寒河江市に設立した。97年に本社を山形に新築移転。現在まで代表取締役社長。日本木造耐火建築協会長。寒河江市出身。68歳。

 ★シェルター 1974(昭和49)年に創業。柱や梁(はり)の接合部分に金物を使う「KES構法」と、3時間耐火の認定を取得した木質耐火部材「COOL WOOD(クールウッド)」を用い、注文住宅のほか、木造の大規模・高層建築を手掛けている。資本金は9千万円。従業員数は112人。東京と仙台に支社、寒河江市にプレカット工場がある。本社は山形市松栄1の5の13。

【私と新聞】情報を選ぶセンス磨く
 木村一義社長は毎朝自宅と会社で、山形新聞のほか全国紙、経済紙、業界紙、ウェブ版のウォールストリート・ジャーナル、USAトゥデーの7紙に目を通す。24歳で創業した当時からの習慣で「新聞を読まないと気持ちが悪い」と笑う。

 全体を見渡し気になる記事をじっくりと読む。同業他社の動きから技術的な内容まで重要なニュースはスクラップしたり印をつけたり、ノートに書きとめたりして後に見直す。社員と共有すべきと判断すると、社内のインターネットで回覧する。「共有し共感するところからポジティブな力が生まれる」

 「世の中の関心や心の動きを把握することも経営者の重要な仕事」と考え、社会面や時には週刊誌も開く。ただ「ニュースは膨大な量になる。取捨選択する審美眼、センスを磨かなければならない」と強調する。

【週刊経済ワード】エネルギー基本計画
 国の中長期的なエネルギー政策の指針。政府に策定が義務付けられており、おおむね3年ごとに見直して閣議決定する。2003年に最初の計画がつくられた。10年策定の計画では、地球温暖化防止の観点を重視し二酸化炭素の排出が少ない原発の新増設方針を明記。東京電力福島第1原発事故後の14年に策定した現計画は原発依存度を可能な限り低減するとしている。
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