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でん六社長
鈴木隆一氏
鈴木隆一氏
【インタビュー】
 -業界の現状を踏まえ、求める人材、能力は。

 「定番の味が求められる一方、常に新しい味を求める消費者が増えている。数カ月に一度は新商品を提案しなければ追いつかないほどだ。食の安全、安心は以前にも増して関心が高く、健康志向も強い。その対応も食品メーカーには求められ、それには働く者の価値観、思いをどう届けるかが大事。発信力も必要となる。最近はピーナツの健康効果に注目が集まっており、当社としても積極的に情報発信したい」

 -人材育成に関してはどのように考えているか。

 「人の頑張る力の源になるのは恩を感じ、感謝する心だ。恩を感じれば感謝の気持ちが湧き、それが行動のエネルギー源になる。仕事は順調な時だけではないが、その状況に恩を感じて感謝の気持ちを持ち、喜んで働く社員を増やしたい。そのような内容を、朝礼で経営理念を交えながら社員に話すこともある」

 -経営理念とは。

 「当社には二つあり、『相互信頼の経営』と、『顧客第一主義』を中心とした四つの誓いだ。創業者の鈴木伝六がつくった相互信頼の経営とは、われわれが顧客や得意先、取引先、従業員を信頼し、われわれも信頼される会社になるということ。四つの誓いは▽日本一おいしい商品を作る▽お客さまの望む商品を作る▽鮮度の良い商品を届ける▽安全衛生に万全を期す。2代目の鈴木伝四郎が経営改革を実行し、『でん六元年』と呼ぶ1978(昭和53)年につくった」

 -理念をいかに具現化したのか。

 「これには背景がある。『でん六豆』発売後、成長期が続いたが、伝四郎が社長を継いだ時は売り上げが落ちつつあった。経営コンサルタントのアドバイスを受け、顧客、納入先、同業者の話を聞いたところ、お客さまの好みの変化に気付いた。それまで良い物を作れば売れると考え製造してきたが、以後は180度転換し、『お客さまの望む商品を作ろう』となった。それが『顧客第一主義』だ」

 -仕事上で最も影響を受けた人物は。

 「父であり、前社長の鈴木伝四郎だ。私は『今、会社で革命を起こしているから戻ってこい』と言われ、当時務めていた東京の会社を辞め、79年に入社した。今より経営規模が小さい時代、膨大な設備投資をし、商品の鮮度対策、小袋化を実現した。革命的経営改革を実行した決断力は素晴らしい。現在進行形で経営改革が進む様子を間近で見られ、本当に良かった」

 ★鈴木隆一氏(すずき・りゅういち) 成蹊大経済学部卒。1979(昭和54)年入社。常務、専務、代表取締役専務を経て、2002年6月から現職。山形市出身。63歳。

 ★でん六 1924(大正13)年創業し、53(昭和28)年に株式会社化した。「でん六豆」は56年に発売されると爆発的人気となった。資本金4億2500万円。従業員数762人(今年3月末現在)。山形市と上山市に工場、国内各地に支店や営業所、出張所を構える。本社は山形市清住町3の2の45。

【私と新聞】講演会記事、分かりやすい
 会議や講演、取材対応の前に、発言のネタ集めに新聞を活用するという鈴木隆一社長。「地域経済、地元企業の動向に、関心を持って読んでいる」と語る。

 日頃は、お悔やみ欄の他、交通安全や消防関連の活動に取り組んでいることから交通・火災の記事にも目を通す。サッカーJ2・モンテディオ山形のスポンサーでもあり、試合結果は翌日紙面で必ずチェック。「勝った時は真っ先にスポーツ面から読む」。「山形新聞の講演会記事は少ない文字数で要点を押さえ、分かりやすい。出席した講演会は必ず記事で復習する」という。

 「妻も愛読し、私が見落とした記事について教えてくれる。私が関心のある記事について話すこともあり、妻とのコミュニケーションツールの一つ」と話す。毎週日曜日発行の子ども向け新聞「ヨモーニャぱーく」も愛読し、七つの間違い探しはお気に入りのコーナーだ。「間違いが全て見つからないと悔しいので、時間をかけても必ず見つけ出す」と笑う。

【週刊経済ワード】フィンテック
 「Finance(ファイナンス=金融)」と「Technology(テクノロジー=科学技術)」を組み合わせた造語で、ITを使った先進的な金融サービスを意味する。生体認証の技術を使って、財布を持たなくても店頭の端末に指をかざすだけで買い物ができたり、スマホで簡単にお金の決済や家計簿の管理ができたりするサービスは既に始まっている。個人や法人にとっては金融サービスが自由で、安価、便利に使えるようになることを意味するが、金融機関にとっては人工知能(AI)などによるシステムや会社組織の効率化を指す。新興の非金融企業が既存の金融機関のビジネスを破壊することもあり得るため、「金融革命」と捉える識者もいる。
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