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荘内銀行頭取
上野雅史氏
上野雅史氏
【インタビュー】
 -業界の現状を踏まえ、どのような人材を求めているのか。

 「マイナス金利が続くほか、情報技術(IT)、人工知能(AI)、Fintech(フィンテック、ITを活用した金融サービス)が台頭し、金融業界を巡る環境は目まぐるしく変わっている。従来型のサービスの延長では発展は望めない。明治初期に両替商から銀行に業態転換したように、銀行は今、預金、貸金業務だけにとどまらず、その先にある総合サービスを提供する機関に変わりつつある。その大きな変化に対応できるチャレンジ精神を持った人材を求めている」

 -そのためにどのような能力、努力が必要なのか。

 「会員制交流サイト(SNS)、電話、メールなど直接顔を合わせず、会話するツールが増えたため、現代の若者はコミュニケーションが不得手だと感じる。社会人として、顧客ときちんと向き合って会話し、相手の意思、気持ちをくみ取って応える能力が欠かせない。そのためには、多くの人と出会い、多くの経験をし、多くの引き出しを持つ必要がある。当行では行員処遇で『五つのC』を大切にしている。それは『Challenging mind』(挑戦意欲)『Competence』(顕在能力)『Career development』(計画的な人材育成)『Customers first』(お客さま第一)『Culture』(自由な組織文化)。人づくりの大きな指針になっている」

 -自身が仕事上で影響を受けた人物は。

 「当行相談役で元頭取の町田睿さん。旧富士銀行出身の町田さんは荘内銀行に移り、副頭取、頭取を務めた。私は頭取時代2年間、秘書として仕え、薫陶を受けた。町田さんは優れた経営能力を発揮されただけでなく、行内改革にも取り組んだ。卓越した先見性を持ち、先を見据えながら足元のことをどう進めるか、経営方針として常にわれわれ行員に示していただいた。町田さんは『愛して厳』『照一隅(いちぐうをてらす)』という言葉を好んで使われていた。前者は人を育てるためには優しさだけでなく、時に厳しさが必要だという意味、後者は与えられた場所、地位で全力を尽くし、輝いて周囲を照らすという意味だ。まさに町田さんの人材育成術につながっている。町田さんの手腕は経営の参考になる。私もまねしようと思うが、まだまだ及ばない」

 ★上野雅史氏(うえの・まさし) 明治大政経学部卒。1980(昭和55)年入行。東京支店長兼東京事務所長、取締役兼執行役員企画部長兼コンプライアンス統括部長、常務兼常務執行役員人事部長、専務を経て、2016年6月から現職。鶴岡市出身。60歳。

 ★荘内銀行 1878(明治11)年、第六十七国立銀行として創業。1941(昭和16)年、鶴岡銀行、風間銀行、出羽銀行と合併し荘内銀行に。2009年に北都銀行(秋田市)と共同持ち株会社フィデアホールディングスを仙台市に設立し、経営統合した。資本金85億円。県内外に85店舗あり、従業員数1574人(16年3月末)。本店は鶴岡市本町1の9の7。

【私と新聞】発言のバックボーンに
 朝の散歩を終え、シャワーを浴びた後で山形新聞や全国紙など各紙に目を通すという上野雅史頭取。気になる記事はスクラップし、後で読み返すこともある。「一般記事は客観的事実を確認でき、解説、オピニオン面は物事の裏側にある真実を知れる」。新聞を通して物事をさまざまな角度から見ることで、「世の中の動きが見える」という。

 立場上、あいさつ、講演の機会が多く、「新聞から多くの意見を吸収し、自分なりの考えをまとめる。それが発言のバックボーンになる」と話す。じっくり読み込むのは仕事に関わる記事が多いが、「ゴルフが好きなので」スポーツ面にも目を通すと笑う。

【週刊経済ワード】ビットコイン
 インターネット上で流通する仮想のお金。2009年に誕生したとされる。紙幣や硬貨のような実体はないが、ネット上の民間の事業者が運営する取引所でドルや円と交換できる。一部の商品やサービスの代金決済にも使える。手数料がほとんどかからず海外に送金できるほか、手軽に取引できるのが利点だが、政府による信用の裏付けはない。米金融大手ゴールドマン・サックスが仮想通貨の取引業務参入を検討していると伝えられたほか、試験的に決済に用いる企業も出ている。一方、分裂して新たな仮想通貨が誕生する事態も生じており、投機マネーの流入で値動きが激しい。
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