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山和建設ロゴ

未来をつくる「地域の守人」

山和建設(本社小国町、小山剛社長)は創業半世紀の節目を超え、持続可能で住み続けられるような地域づくりに力を入れています。同社のさまざまな挑戦は、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)と同じ方向を向いています。将来を見据えたさまざまな取り組みを紹介します。

社会資本整備に注力―災害対応、いち早く現場へ

山和建設は1970年、砂利販売業の「小山建材」として創業し、総合建設業への転換、株式会社化を経て現在に至ります。道路整備や河川・砂防、災害復旧といった公共工事を主に受注しており、地域の発展に欠かせない社会資本整備に携わっています。

創業以来、一貫して取り組んでいるのが「迅速な災害対応」です。県内をはじめ、隣接県などで大規模な災害が発生したり、発生の兆候がある時、いち早く出動の態勢を整え、現場に赴いて早期の段階から復旧・復興に携わります。昨年12月、新潟県の関越自動車道が大雪で通行止めとなり、2千台以上の車両が立ち往生する事態となった際、山和建設の社員が車両の救出作業に当たりました。東日本大震災の際は宮城県石巻市や福島県相馬市などで救援活動を行うなど、多くの実績を重ねています。さまざまな自治体などと災害時相互応援協定を結ぶなど、発生の際の備えにも力を注いでいます。

災害発生時、迅速な復旧・復興を行うためには、被害を受けた道をいち早く開き、被災地に向かわなければなりません。作業に当たるには、高い技術力と機動力が求められます。そうした力を備えた建設業者は、地域を守る大切な役割を果たしているといえます。

現場で培った力は、公共工事などの現場でも存分に生かされます。難工事が予想されるなど、厳しい条件の現場についても、積極的に受注し、工夫を重ねて要求に応えています。そうした実績の積み重ねが、信頼につながっています。また、環境に対する配慮も求められます。より環境負荷の少ない工法の採用や温室効果ガスの排出削減、看板などへの間伐材の活用などを、積極的に進めています。

山和建設が手掛けた「持続可能で住み続けられる」地域づくりに向けた公共工事。東北自動車道・国見サービスエリア(宮城県国見町) 山和建設が手掛けた「持続可能で住み続けられる」地域づくりに向けた公共工事。東北自動車道・国見サービスエリア(宮城県国見町)
山和建設が手掛けた「持続可能で住み続けられる」地域づくりに向けた公共工事。仙台南部道路 山和建設が手掛けた「持続可能で住み続けられる」地域づくりに向けた公共工事。仙台南部道路
山和建設が手掛けた「持続可能で住み続けられる」地域づくりに向けた公共工事。宮城県丸森町、国見町での災害復旧 山和建設が手掛けた「持続可能で住み続けられる」地域づくりに向けた公共工事。宮城県丸森町、国見町での災害復旧
山和建設が手掛けた「持続可能で住み続けられる」地域づくりに向けた公共工事。中ノ俣砂防堰堤(小国町) 山和建設が手掛けた「持続可能で住み続けられる」地域づくりに向けた公共工事。中ノ俣砂防堰堤(小国町)

「山の恵み」を生かす―加工・販売や産直施設運営
自社農場でトマトの栽培にも取り組んでいる 自社農場でトマトの栽培にも取り組んでいる

地域の持つ可能性を生かして雇用の確保や収入増を図り、活性化に結び付けようと、山菜や野菜の加工・販売事業を手掛けています。

山間部の小国町は山菜が豊富ですが、販路が開拓されていないため、十分に活用されていないのが現状です。また、豪雪地帯であり、冬場の働き場の確保も課題となっています。そこで同社は、山菜や野菜の加工・販売、販路開拓などを担う関連会社「美森ファーム」を設立。野菜や山菜の加工、産直施設「美森マルシェ」の運営などを行っています。

山菜の加工は、国の「建設業と地域の元気回復助成金」を受けて乾燥機などを導入。町民が採った山菜を買い取り、加工して販売しています。生のもの以外に乾燥品や塩蔵、缶詰などをラインアップしており、年間通して味わうことができます。特に、全国規模のコンクールで入賞した加工品「山菜混ぜご飯の素」などは好評を博しています。町内の農家が栽培したトマトなども扱っているほか、トマトの栽培も手掛けています。

県境越え経営統合―基盤固め、新たな発展へ
経営統合に合意し握手する両社の代表 経営統合に合意し握手する両社の代表

山和建設など4社による「山和建設ホールディングス(HD)」と、福島県相馬市の「小野中村HD」が4月1日に新たな持ち株会社「山和建設・小野中村HD」を設立し、経営統合しました。山形、福島両県を本拠地とする建設会社同士が手を結ぶことで、お互いが得意分野で力を発揮するとともに、グループ全体の発展戦略を描いていく狙いもあります。

建設業は地域に欠かせない企業ですが、今後、公共工事が減少する局面となった場合は規模の縮小を余儀なくされ、求められる役割を十分に果たせなくなることが懸念されます。経営統合によって、共同企業体(JV)として大規模工事の受注拡大を図ったり、人材育成や人事交流、経営の効率化などを通して相乗効果を創出し、公共の福祉増進に寄与することを目指します。

国境超え絆培う

国境超え絆培う

ミャンマーなどからの外国人技能実習生を受け入れています。小国町が主催した交流会では、同社で働く実習生がバレーボールなどを通して交流を深めました。共に働き、交流することで、国境を超えた仲間意識が生まれています。日本での勤務を終えた実習生が、身に付けた技術を生かして働けるよう、ミャンマーでの建設会社設立にも参画しています。

若者に魅力伝える

若者に魅力伝える

町内の中学生や置賜地域の高校生の、インターンシップを受け入れています。最新の技術を取り入れた建設業の現場に触れた生徒たちが興味を持ち、卒業後、山和建設に入社した人もいるとのことです。

きれいな水と県土へ推進着々

国道をきれいに

山和建設と関連会社の社員が毎年、飯豊町から小国町、新潟県関川村にかけての国道113号で道路愛護清掃ボランティアを行っています。

歩道やパーキングエリアを清掃し、散乱した空き缶や吸い殻などを集めています。この活動を通し、社員や家族が環境問題やSDGsに対する意識を高める効果も生まれています。

【代表取締役社長・小山剛】
誇り胸に、責任と役割果たす
代表取締役社長・小山剛

弊社は、創業者の小山和夫が、羽越水害で甚大な被害を受けた小国町の復興に携わりたい-との思いを胸に立ち上げた会社です。以来、半世紀余にわたって、さまざまな公共工事を主軸に「住み続けられる、持続可能な地域づくり」に取り組んでまいりました。

地方においては、「住み続けられる地域」であるための社会資本整備はまだまだ十分ではありません。人々が生活を営むためには、継続的な雇用の確保も必要です。また、ひとたび災害が起きれば、災害自体はもとより、復旧・復興が遅れることで命を落とす人、生活ができなくなってしまう人が出てきてしまいます。そうした時、率先して現場に赴き、復旧・復興の最前線で働くのが私たち建設業です。こうした誇りを胸に、「地域の守人(もりびと)」としての責任と役割を果たしてまいります。

建設業界が「持続可能な」産業であるためには、さまざまな課題を解決する必要があります。地球環境に配慮すること。安全で働きやすい職場環境を整え、若い人が働き続けられるようにすること。確固とした経営基盤を確立し、未来につながる体質を整えること、などが挙げられます。こうした課題への対応も進めており、その一つが県境を越えた経営統合です。

豊かな自然を大切にし、次の世代に受け継いでいきたい、との思いを強くしています。そのために社員一人一人が意識を変革し、微力ではございますが社を挙げてSDGsを推進していきます。