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「鳥海山SEA TO SUMMIT」に挑む~遊佐

(2011/09/28掲載)

アウトドア派への一歩

カヤックで苦戦し、ずぶぬれになる記者(左手前)=遊佐町・吹浦港
カヤックで苦戦し、ずぶぬれになる記者(左手前)=遊佐町・吹浦港
 日に日に「自堕落」という言葉が似合うようになってきた。休みの日は家でゴロゴロ。暴飲暴食で年間5キロずつ増える体重。そんな生活から脱却し、アクティブなアウトドア派への一歩を踏み出そうと、日本海から鳥海山山頂への“旅”「鳥海山SEA TO SUMMIT(シー・トゥー・サミット)」に挑戦した。

 シー・トゥー・サミットはアウトドア用品大手の「モンベル」(大阪市)が企画するイベント。その名の通り、海から山頂へと駆け上がる。ことしは全国4カ所で開かれ、鳥海山は初めて開催場所になった。

 コースは海、里、山の3ステージあり、今回はカヤック4キロ、自転車21キロ、登山7キロ。標高0メートルから2160メートルまで登る。「シングルの部」と「チームの部」があるが、運動不足の体で単独参加は不可能と考え、友人2人と共にチームの部(リレー方式)に参加することにした。

 午前3時半に起床し、スタート地点である遊佐町の西浜海岸へ。会場には全国から48チーム105人、外見からも鍛えていることが分かる“強者(つわもの)たち”が集合した。一斉に海に繰り出し、かなたに見える鳥海山を目指した。

【海】 2人乗りカヤックで参戦したが、なかなか真っすぐ進まない。オールの力がうまく伝わらず、多量の水しぶきが体に降り掛かる。他チームとぶつかり「すみません」と何度も謝りながら、吹浦港内を2周、びしょぬれで何とかフィニッシュ。タイム38分。

【里】 友人にバトンタッチし、鳥海ブルーライン中間地点の駒止(標高550メートル)でスタンバイ。バトンを受け取り、斜度10度にもなる坂道に突入した。数分ペダルをこぎ、頭に思い浮かぶのは「つらい、きつい、止めたい」。ハードな9キロの道のりにリタイアも頭をよぎる。「もう少し、もう少し」と自分に言い聞かせ、我慢強く進んでゴール地点に到着。素人チームの頑張りを見た関係者から拍手が湧いた。タイム2時間12分。

32キロにも及ぶ“長旅”のゴール地点。喜びを分かち合う姿が見られた
32キロにも及ぶ“長旅”のゴール地点。喜びを分かち合う姿が見られた
【山】 制限時間もあることからすぐにスタート。御浜小屋(7合目)までは順調に進むが、そこから先に山の厳しさが待ち受けていた。数メートル前しか見えない霧と体が飛ばされそうになる強風。気温十数度の肌寒さも重なり、足取りが重くなる。登山未経験の記者チームに笑顔はない。

 下山する人とすれ違うごとに「あと何分ですか」と聞く始末だったが、気力だけで目的地の鳥海山大物忌神社にたどり着いた。仲間で喜び合い、経験したことのない達成感を味わった。タイム3時間58分。言うまでもなく、歓喜の後の下山は相当な試練だった。

大自然に触れ達成感

【成績】 総合タイムは6時間49分。参加は無謀だったと身に染みて思ったが、イベントの最中に地元の雄大な自然を感じた。カヤックで波を感じる快感、自転車をこぎながら見た眺望、山道を登り味わう達成感。「こんな豊かな自然に囲まれているのにもったいない」。休日は外に繰り出し、満喫しようと決心した。
(酒田支社・相原健佑)

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