酒田港の利用拡大を図る官民連携組織“プロスパーポートさかた”ポートセールス協議会(代表・吉村美栄子知事)は、新型コロナウイルス禍に伴って停止していた国際クルーズ船の受け入れを4月6日から再開すると発表した。同日、初寄港となるクルーズ船「シルバー・ミューズ」(総トン数4万791トン、乗客定員596人)が予定通り入港すれば、3年6カ月ぶりとなる。歓迎の態勢を整え、港のにぎわいを取り戻したい。
同協議会によると、これに加えて4月中に3回の国際クルーズ船寄港が予定される。13日に同じく初寄港の「ル・ソレアル」(1万992トン、264人)、14日に「ダイヤモンド・プリンセス」(11万5906トン、2706人)、20日には再度「シルバー・ミューズ」が入港する。いずれも朝に入港し、当日の夕方には出港して滞在時間は9~11時間となる。
コロナ禍で海外のクルーズ船が国内に入港できない状況が続いていたが、政府が昨年11月に国際クルーズ船の受け入れを発表。これを受けて同協議会は再開に向けて準備を進めてきた。国交省監修による、感染拡大予防のための「ガイドライン」に基づいて安全対策の確実な履行について、船会社と寄港地側が合意した上で受け入れを決めた。5月8日からは、新型コロナウイルス感染症について感染症法上の位置付けが「5類相当」に移行するため、それまでの期間を区切って入港予定に合意している。
現時点で、その後については11月3日と同21日の2回、「ダイヤモンド・プリンセス」が酒田港に寄港する予定になっている。国際クルーズ船の同港の寄港実績は、2017年が1回、18年3回、19年5回で、23年は6回を予定し、過去最多となる見通しだ。乗客へのおもてなしの準備を万全にして、経済効果も引き出したい。
観光庁の訪日外国人消費動向調査によると、コロナ禍の影響が出る前の19年10~12月期、クルーズ客の1人1日当たりの旅行中支出は2万4841円。訪日客の動きは回復しつつあるが、国際空港や主要港に近い大都市に集まる傾向は依然として続いている。地方の港にクルーズ客を呼び込めば、経済効果も含めて分散化させることができ、そうした流れを定着させることが求められよう。一方で、感染者が出た場合の対処など、寄港先の住民に不安が生じないよう慎重に対応し、対策を徹底していくことも鍵になるのではないだろうか。
クルーズ船の乗客を対象にしたオプションのツアーは、出羽三山や加茂水族館、最上川船下りなど多彩なプログラムが準備されてきたが、食や歴史、文化など地域の資源を生かして一段と磨き上げ、寄港地としての魅力を高めたい。市民の力も欠かせない。酒田港ではこれまで、大勢の市民が船の出迎えや見送りに詰めかけてきた。岸壁や市内の中心街などでは、大学生や高校生らのボランティアが活躍し、寄港地のイメージアップに大きな役割を担ってきた。
寄港地としての評価が、翌年、さらに次の年の実績として結実する。「選ばれる港」としてにぎわいと活力をさらに呼び込んでいきたい。
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酒田港の利用拡大を図る官民連携組織“プロスパーポートさかた”ポートセールス協議会(代表・吉村美栄子知事)は、新型コロナウイルス禍に伴って停止していた国際クルーズ船の受け入れを4月6日から再開すると発表した。同日、初寄港となるクルーズ船「シルバー・ミューズ」(総トン数4万791トン、乗客定員596人)が予定通り入港すれば、3年6カ月ぶりとなる。歓迎の態勢を整え、港のにぎわいを取り戻したい。[全文を読む]
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