社説

早過ぎる梅雨明け、暑さ 熱中症予防を最優先に

 あまりにも急に、炎夏が到来した。1日、群馬県桐生市で全国の今年最高気温となる40.4度を観測、同県伊勢崎市で40.3度に達した。山梨、埼玉、岐阜の各県でも40度を超えた地点があった。

 梅雨明けの時期も異例だった。本県を含む東北南部が梅雨明けしたとみられると気象庁が発表したのは、6月29日である。統計のある1951(昭和26)年以降で最も早く、6月中は初めて。梅雨入りは同15日ごろで、梅雨の期間は14日間しかなかった。関東甲信の梅雨明け発表は同27日で、こちらも51年以降では最も早かった。

 まだ暑さに慣れていないこの時期、急激な気温上昇に体が適応しにくい。熱中症のリスクが高まっており、医療機関への搬送が増えている。

 加えて電力供給は不安を抱えており、節電と健康の両立という難問が突き付けられる。そのような中、命と健康を守ることを最優先に長丁場を乗り切りたい。

 今回の梅雨明けは、日本の南に位置する太平洋高気圧の北への張り出しが強まり、いつもは本州付近にかかる梅雨前線を北へ押し上げたことでもたらされた。上空の偏西風が日本付近で大きく北に蛇行したことが原因だ。

 気象庁は広範囲で続く暑さについて、太平洋高気圧の上に、中国大陸から張り出したチベット高気圧が日本上空で重なり、強い勢力になったことが要因とみている。

 南米ペルー沖などの海面水温が平年より低くなり、世界的に異常気象をもたらす「ラニーニャ現象」が影響しているとの見方も強い。この現象が発生すると、日本の夏は暑くなる傾向がある。今も継続中で、厳しい暑さは9月ごろまで長期化する可能性がある。

 地球温暖化の影響で、近年の日本は猛暑が当たり前のようになっている。とりわけ2018年の夏は厳しく、「災害級」と言われた。このまま推移すると、今年も4年前の夏に匹敵する恐れがある。

 1日には全国規模の節電期間が始まった。全国での節電要請は7年ぶりとなる。3月の福島県沖地震による火力発電所の被災などが影響した。

 不要な照明を消すなど、生活や経済活動に支障のない範囲で協力しよう。ただし、エアコンの使用をためらってはいけない。エアコンは他の家電製品に比べて電力量を消費するが、熱中症は屋内で起きることも多い。カーテンで日差しを遮るなどの工夫を重ねながら、室内温度を調整したい。

 熱中症予防は、小まめに水分や塩分を補給し、睡眠と休養をたっぷり取ることが基本だ。体温調節機能が十分に発達していない子どもや、高齢者については周囲が目配りを欠かさないようにしたい。

 屋外で無理は禁物だ。政府は、新型コロナウイルス感染症対策としてのマスク着用に関し「夏場の屋外での着用は熱中症のリスクが高まる」と注意を呼びかけている。具体的には、近距離で会話する場合を除いて、徒歩や自転車での通勤・通学、散歩、ランニング、ラジオ体操などの際はマスクが不要と訴える。社会に浸透するように、より一層周知に努めてほしい。

(2022/07/02付)
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