社説

W杯ラグビー8強 日本の快進撃をさらに

 桜の戦士たちの活躍が日本中を盛り上げている。台風19号が列島に深い爪痕を残したが、日本の躍進は大きな励ましになっているのではないか。

 ラグビー・ワールドカップ(W杯)の日本チームが開幕から4連勝で1次リーグを突破した。長い伝統を誇るアイルランドやスコットランドも破り、初めて8強入りした健闘をたたえたい。

 日本は1995年大会でニュージーランドに17―145で敗れ、世界との力の差を思い知らされた。8年前でも1分け3敗での1次リーグ敗退だった。そこから、国際的な実戦経験を積む選手が徐々に増え、外国出身選手も多くなった。さらに、優秀な外国人ヘッドコーチを迎えるようになり、チームは底上げの基盤が整ってきた。

 4年前の前回大会は強豪の南アフリカを破る番狂わせを演じた。惜しくも8強入りはならなかったが、確認できた実力の向上を自信にチームはたくましさを増した。大型の選手が増え、スクラムで相手に押されボールを奪われていた、かつてのか弱さは過去のものになった。

 自国開催となった今大会で感じられるのは、選手の試合に懸ける気持ちがこれまで以上に強いことだ。

 そしてファンがチームに大きな期待を寄せ、盛んに応援する熱気である。

 スコットランド戦が行われた横浜市の日産スタジアムには6万7千人を超える観客が詰め掛けた。赤と白の横じまのレプリカユニホームに身を包んだファンが熱い声援を送り、日本チームはその大歓声を勇気に変えて攻守に躍動した。

 大会の開幕からここまで、各都市で設置されたファンゾーンで、さらに、山形市や天童市などでもみられるように、各地に設けられたパブリックビューイングの大画面の前で、市民は歓声を上げ、手をたたいて喜びを表している。

 チームはそうした全国から届く期待を受け止めている。スコットランド戦は、台風19号により各地で河川の氾濫が起き、詳細が明らかになりつつある中で臨んだ。被災者を気遣い、試合前にチームとして話し合いの場を設けたことをジョセフ・ヘッドコーチは明かした。トライを決めた稲垣啓太選手は試合後、被災した人たちに元気を取り戻してもらいたいとの気持ちでプレーしたと話した。

 熱気が広がる中、選手たちの誇りは試合を重ねるたびに高くなっているだろう。切符をつかんだ決勝トーナメントを前に、ラグビー日本チームは既に多くの国民の心をつかんだのではないか。

 今大会で史上初の3連覇を狙うニュージーランドのハンセン監督は、日本が8強入りを決めた後の記者会見で、日本を強豪の10カ国・地域を示す「ティア1(第1勢力)」と見なすかと問われ、「間違いなくそういうことになる。質の高いラグビーをしており、誇りに思うところまできている」と称賛した。日本は2番手グループの「ティア2」に属しているが、今大会でティア2のチームがティア1を破ったのは、アイルランド戦とスコットランド戦の日本だけだ。

 次戦の相手は2度優勝経験のある南アフリカ。さらなる歴史の扉に挑む日本チームの快進撃を後押ししたい。

(2019/10/17付)
最新7日分を掲載します。
文字サイズ変更
  • 小
  • 中
  • 大

県内8市発行メールマガジン登録無料

ふるさとだより

毎週木、金曜日配信中!

ニュース特集

スポーツ

教育・子育て

おでかけ

暮らし情報

twitter発信中

山形新聞からお知らせ

  1. 【2019年8大事業】
     山形新聞、山形放送の2019年の8大事業が決まりました。詳しくは、こちらから
  2. 【やましん公式FB】
     山形新聞社は、インターネット交流サイト「フェイスブック(FB)」の公式ページを新設しました。
     公式ページでは山形新聞のニュースのほか、本社からのお知らせなどを中心に紹介します。
     アドレスは、こちらから
  3. 【やましんe聞で動画視聴】
     読者限定の電子版「やましんe聞」で動画を閲覧できる新サービスを始めました。詳しくは、こちらから。
  4. ◆中学、高校の各種スポーツ大会の記録を紹介。検索機能も備えています。アクセス方法はこちら
  5. ◆探したい記事がきっと見つかる、山形新聞記事データベース。他社DB横断検索が便利な日経テレコンジー・サーチファクティバ
  6. ◆県外でも今日の朝刊が朝一で読める「お届け電子版
  7. ◆ニュース速報、高校野球、モンテ情報… 身近な情報を携帯で確認「モバイルやましん
  8. ◆故郷の話題をメールでお届け、ふるさとメール会員募集(登録無料)
山形新聞から
販売から