社説

外国クルーズ船誘致 酒田港の魅力高めよう

 酒田港には今年、外国の船会社が運航するクルーズ船が9月末の「ダイヤモンド・プリンセス」(約11万6千トン)を最後に計5回寄港した。外国クルーズ船は経済波及効果が大きく、今後も入港数の拡大が期待される。

 同港への外国クルーズ船寄港は2017年8月の「コスタ・ネオロマンチカ」(約5万7千トン)が第1号となった。同年はこの1回だったが、18年は「コスタ」1回と「ダイヤモンド」2回の計3回、今年は「ダイヤモンド」4回のほか酒田港としては最大規模の「MSCスプレンディダ」(約13万8千トン)1回の計5回と寄港数は着実に増えている。

 来年は「ダイヤモンド」「コスタ」に加え、新たに「ノルウェージャン・スピリット」(約7万6千トン)が8月に寄港するなど計6回決まっている。さらに21年4月には最上級のラグジュアリークラスでは酒田港初となる「シルバー・ミューズ」(約4万1千トン)が入る。

 「ダイヤモンド」の乗客定員は2706人、「MSC」は同3274人。外国クルーズ船は多くの観光客が乗船し、寄港地では観光や飲食、商品の購入などが見込める。国や県、酒田市などでつくる“プロスパーポートさかた”ポートセールス協議会によると、18年に酒田港へ寄港した外国クルーズ船の経済効果は推計で1億3800万円。地域活性化に向けさらに誘致に力を入れたい。

 「ダイヤモンド」の寄港地決定権を持つカーニバル・オーストラリア社(オーストラリア)のマイケル・ミハイロフ取締役は今月2日、県庁で吉村美栄子知事と懇談し、「酒田港は日本の寄港地で5本の指に入る高評価を得ている」と述べた。乗客へのアンケートで酒田は国内46港のうち上位5港に入っているといい、西洋人にはミステリアスな出羽三山、鳥海山を見渡す素晴らしい景色、客に対するもてなしなどを特長に挙げた。

 外国クルーズ船の乗客を対象にした酒田港からのオプションのツアーは、酒田市内のほか鳥海山や出羽三山、加茂水族館、最上川舟下りなどへ向かうコースが組まれている。今年は加茂水族館で「上質な寄港地観光プログラム」によるツアーも企画され、館長の案内や館内レストランの料理長がその場で地元の魚を調理するといったもてなしがあった。

 酒田港では大勢の市民が船の出迎えや見送りに詰め掛ける。岸壁や酒田の中心街で大学生や高校生らのボランティアが活躍し、寄港地のイメージアップに一役買っている。住んでいる地域の良さを見直し観光客に伝えることは若者の地元定着にもつながると期待される。

 タクシー不足が課題となる中、国土交通省は9月、外国クルーズ船の寄港日に鶴岡市や庄内町のタクシー業者の営業区域を酒田市内へ臨時拡大することを認可した。キャッシュレス決済や公衆無線LAN「Wi―Fi」の拡充に向けた動きも見られ、さらに利便性を高めたい。

 酒田港は「MSC」より大きな17万トン級の大型クルーズ船まで入港できる。県内陸を含め周辺エリアには食や歴史、文化などの資源も多い。外国人など乗客にアピールする地域の魅力を掘り起こし、船会社に売り込みたい。

(2019/10/21付)
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