社説

プロ野球ドラフト指名 県勢3人の活躍に期待

 プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)で東芝の宮川哲(みやがわてつ)投手(東海大山形高出)が西武に1位指名された。他に酒田南高の伊藤海斗外野手が巨人から6位で指名され、育成ドラフトでは山形中央高の村上舜(しゅん)投手がソフトバンクに7位で指名された。本県関係選手の指名は育成を含め9年連続で、3人が同時に指名されたのは2年連続となる。

 宮川投手は奈良県出身。上武大を経て東芝に進んだ。直球は最速154キロ、変化球も多彩で即戦力右腕として期待されている。東海大山形高時代は右肘のけがも経験したが、3年夏はエース格としてチームをけん引。4強入りを前に敗れた際には「充実した2年半を過ごした。大学でも野球を続けたい」と同校での競技生活を基盤に、飛躍を誓っていた。

 187センチ、88キロの伊藤外野手は豪快なバッティングが魅力の左打者。遊佐中時代はエースとしてチームを県中学野球大会初優勝に導いた。酒田南高では1年秋から4番に座り、高校通算本塁打は36本。小さい時からプロ野球選手を志していたといい、強豪チームの主砲らしくスケールの大きな打撃を磨いた。

 村上投手は1年から頭角を現した左腕。今夏の県大会決勝で敗れたことで野球に区切りを付けることも考えたが、より高い舞台で力を試してほしいという監督の言葉に背中を押され、プロを志望した。潜在能力の高さはプロも注目し、育成という形で道が開けた。

 かつては「野球弱小県」と言われた本県だが、近年は甲子園でも強豪に勝てるようになり、スカウトの目に留まる選手が継続して現れている。大学、社会人で成長する選手もいるが、各校で将来を見据えた育成、指導が定着してきたことが大きな要因だろう。今年の3人とも、高校でつぶれたり燃え尽きたりすることなく長所を伸ばし、プロにつながる土台を築いた。この流れを継続させたい。

 高校野球では投げ過ぎによる肩や肘のけがを防止するため、球数制限の導入などが議論されている。最速163キロを投げ今年のドラフトで最も注目された佐々木朗希(ろうき)投手(岩手・大船渡高)は、投げさせれば故障する可能性があるという監督の判断で、甲子園出場が懸かった県大会決勝戦に出場しなかった。采配には批判もあったが、選手の将来を重視した英断だと高く評価する声もあった。

 選手の目標を十分理解し、実現できるよう可能性を広げてあげる指導の重要性は増している。甲子園出場というチームの目標を追いながら、優れた資質を持った選手の将来も尊重する指導は両立可能だと信じたい。

 今夏の甲子園に出場した鶴岡東高は秋季県大会を制し、東北大会で準優勝して来春の全国選抜大会出場を大きく引き寄せた。同校からは2017年のドラフトで吉住晴斗投手がソフトバンクに1位指名されプロに進んだ。身近な先輩の存在は、現役選手たちを、意識を高く持って練習に向かわせる力にもなっていよう。

 過去にドラフト指名された県勢は、チームに欠かせぬ戦力となった選手がいる一方、志半ばで引退した人もいる。厳しい競争に新たに飛び込む3人には、後進の夢をつなぐ存在になってほしい。

(2019/10/19付)
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