社説

高速道、開通時期にめど 最上地域、好機を逃すな

 国土交通省東北地方整備局の道路整備事業の開通見通しが今月公表され、東北中央自動車道は、起点の福島県相馬市から新庄市までの約200キロが2022年度までに全線開通し、25年度には金山町までつながることが分かった。首都圏との直結を待望している新庄・最上地域の喜びはひとしおだろう。多方面でストック効果が得られるような活用策を地域一丸で練り、晴れの日を迎えたい。

 同整備局は、東日本大震災の復興道路・復興支援道路を軸とした高規格幹線道路網を生かす地域経済活性化の取り組みを支援する観点から、現在整備中の管内道路事業の開通目標年次を示した。

 その結果、本県関連は東北中央自動車道、日本海東北自動車道(日東道)、新庄酒田道路、新潟山形南部連絡道路の計4路線の数区間が該当となり、環境整備が少しずつだが着実に進んでいることを感じさせた。昨年4月現在で76%(全国平均87%)と東北地方で最低だった本県高速道路整備率は、26年度で90%に上昇することになる。

 東北中央道を見てみる。東根北―大石田村山(13.4キロ)が22年内に、泉田道路(新庄北―昭和、8.2キロ)が22年度に開通。25年度には新庄金山道路(昭和―金山、5.8キロ)と横堀道路(秋田県の下院内―雄勝こまち、3.7キロ)が開通する。県境付近の一部区間は残るものの、6年後には複数のミッシングリンク(未接続区間)が解消され、金山以南が首都圏まで直結する。

 横軸となる地域高規格道路の新庄酒田道路も前進する。この中の新庄古口道路(新庄市升形―戸沢村津谷、6キロ)が22年度、高屋道路(戸沢村古口、3.4キロ)が24年度に開通見込みだ。最上地域にとって新庄で縦横に交わる高速道の拡充は大きな意味を持つ。地域産業と観光の振興、交流人口拡大、文化交流の促進などさまざまな効果が期待される。そして災害や救急時の“命をつなぐ道”として安心安全の向上にも貢献する。

 さらに新庄酒田道路と接続する日東道は、酒田みなと以北が順次開通し、26年度をめどに秋田県境部分もつながるという。このような高速交通ネットワークの確実な進展を土台として、「やまがた創生」の動きが加速することを強く願う。

 特に最上地域は道路拡充以外にも追い風が吹いており、ここ数年間を大事にしなければならない。その一つは、県直営の県立大学として四年制の農林系専門職大学が23年4月に開校予定であること。もう一つは、同年度の開院を目指し県立新庄病院の改築がスタートすることだ。これに道路の高速化が加わるわけで、農業振興や若い世代の増加、救急医療の体制強化などに確実につなげたい。

 観光関連のインフラ整備も重要で、その核となるのは高い集客力を持つ「道の駅」。ゲートウエー(玄関口)の機能を持つ施設にしたいと、管内8市町村の代表が検討を重ねている。あと3年で東北中央道が新庄まで通ることが分かったのだから、協議のスピードを上げ、早期に理想のプランを固めたい。

 最上地域は地域振興のビッグチャンスを迎えている。いかに結束し有効な手だてを打ち出せるか。真価が問われる。

(2020/02/27付)
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