渡部建、有吉弘行との“絶妙な距離感”が生む爆発的な笑い 『名アシスト有吉』の挑戦
「番組からオファーをいただいた時、僕としては、迷いはなかったです。二つ返事というよりは食い気味の二つ返事でした」。アンジャッシュ・渡部建は、出演オファーを受けた際のことを今でも鮮明に覚えている。動画配信サービス「Netflix」と、『有吉の壁』『有吉ゼミ』などを手がけるクリエイター・橋本和明氏がタッグを組んだNetflix発の一大お笑いプロジェクト『名アシスト有吉』で、2番組に出演している渡部だが、出演にいたるまで、収録現場での“愛あるエピソード”があった。
【番組カット】写真たくさん!多彩な番組で有吉の“名アシスト”が光る
■有吉なりの思いに感謝 収録前から感慨深くなる「感情がぐちゃぐちゃでした」
数々の番組でMCを務めてきた有吉弘行が、アーティストやスポーツ選手など10組の個性豊かなゲストがMCを務める10本のバラエティー番組にアシスタントとして参加。ベテランから若手まで百戦錬磨の芸人が参戦し、十人十色のMC企画にチャレンジしながら、突如降りかかる有吉の狂気のアシストを全身全霊で打ち返す、予測不可能で熱量MAXの新たな笑いを生み出す“最狂バラエティー”となっている。
有吉と渡部の関係は長く、1996年に『進め!電波少年』のヒッチハイク企画よりも前からの交流がある。渡部が、なつかしそうに振り返る。「ヒッチハイク行く時も、直前のライブ一緒だったくらいで、有吉が大きなカバンだったので、どうしたのって聞いたら『なんかこの後、空港に行かないといけないみたいで』って話していたら、そのままヒッチハイクに行っちゃった感じでしたから」。
30年近い付き合いのある2人だが、直接的に何か深い言葉を交わすわけではない。渡部が、恐縮しながらも自粛中のエピソードとして「みんなが『大丈夫か?』とか声をかけてくれた中、有吉だけです。『予約取れないお店の予約、僕が全部譲り受けますから』って(笑)」と話す。絶妙な距離感、長きにわたる交流によって信頼関係があるからこそ、有吉との共演とあれば即決だった渡部だが、本作品が活動再開後、冠バラエティー『白黒アンジャッシュ』以外では、初となるバラエティーの収録現場であったという。有吉の楽屋を訪れた際のこと。「有吉はすごく嫌がっていましたね。ニヤニヤしながら『来なくていいですから』って(笑)。もちろん『頑張りましょう!』みたいなタイプではないので、有吉なりのやり方ではあったのですが」。
ドキドキの仕掛けが襲いまくる恐怖の料理番組『IKKOのDOKIDOKIクッキング』の収録が始まると、有吉から終始“あえて”ドライに扱われ、なかなか出番が訪れないという展開に。「出番がまったくなかったので、本当に気が気じゃなかったんです。それで、最後ああやって見せ場を作ってくれて、正直ホッとしました」とかみしめながら、見せ場が終わった後の共演者たちからの反応についても明かした。「ひとくだりあって、出演者たちがいるところに戻ってきた時、ロッチの中岡創一くんが『渡部さん、おかえりなさい』と言ってくれたんです。それも、またグッときちゃって…。本当に基本的なことですけど、一生懸命やるっていうことですよね。現場でしっかり汗をかいて、大声を張り上げるっていうことが大事だなと感じました」。
収録では、有吉の“狂気”を感じる瞬間もあった。「IKKOさんの回で、冷蔵庫のくだりがあるのですが、実際にはカットされているんですけど、現場ではけっこう粘ってやっていたんです(笑)。ビリビリに、草薙くんが気づかず…というのが最初だったのですが、普通の進行だったら、そこはビリビリの不具合などもあるからと、あきらめて次に進むんですよ。でも、有吉はなんかこだわって、いろんな人をビリビリがあまりこない冷蔵庫に向かわせるっていう感じは、普段僕が知っている地上波の有吉はしないんですけど、笑いへの執着みたいなものを感じました。
もうひとつの番組、ネプチューン・堀内健が20年以上ファミレスや喫茶店でコツコツ書き溜め続けてきた企画『脳汁ジュンジュワ~』では、渡部はホリケンワールド全開の現場に「とんでもない現場にきちゃった」と翻ろうされながらも、同時に感動もしていたという。「ホリケンさんの回も、地上波でやる場合は、有吉はもっとストッパー役に回ると思うんです。でも今回、マジでみんながどうなんのっていうくらい、野放しにするような、背中をぐんぐん押している姿は、有吉って狂っているなと(笑)」。
長きにわたって見てきたからこそ、今回の番組では有吉の真骨頂が発揮されていると感じている。「有吉は、お笑いが好きだし、有吉の原点って、ああいうところなのかなと思います。『名アシスト』って、メインの方の影に隠れながら指示を出している構図は、有吉の真骨頂で、有吉が生きるフォーマットって、こういうことかって思いました。狂気じみた、刺激的な笑いがいっぱい詰まった番組ですね」。
■橋本氏が挑んだ「渡部建の壁」 有吉VS渡部の名勝負「本当にすごい」
番組を手がけた橋本氏も、渡部とは以前から関係性がある。「僕が『ヒルナンデス!』の2年目くらいに演出で入って、何を平日のお昼にやればいいんだろう、何が正解なんだろうって模索していた頃、渡部さんと一緒に探りながら番組を作っていました。人気番組になっていくまで、毎週顔を合わせて、ロケもよく行っていて…という関係だったので。いつかは、また芸人・渡部建ともう1回仕事がしたいというのが、僕の中では根っこにありました」。
今回の『名アシスト有吉』が、まさにその時だと橋本氏は感じた。「有吉さんと対峙した時の、芸人・渡部建の面白さって、絶対にあると思うんです。それが出るのではないかと思って、キャスティングをお願いしました。だから、IKKOさんの料理番組のくだりの渡部さんの跳ね方は、めちゃくちゃうれしかったです。あのツッコミの鋭さ、速さ、そして翻ろうされていくっていう流れ。でも、考えてみたら、昔から渡部さんって、翻ろうされている時が面白かったなって思い出したりもしました。ホリケンさんの回も、ホリケンさんっていうめちゃくちゃクレイジーなMCが出てくることが、渡部さんの翻ろうされる感じが引き立って、すごく面白くなりましたし」。
渡部も印象に残っていた、IKKOの料理番組での最後の爆発力ある笑いは、橋本氏にとっても印象深い光景だった。「僕もフロアで見ていて、ドキドキしていました(笑)。あの有吉さんのアシストがあって爆発するっていうのは、やっぱり有吉さんって考えていることが、とんでもない人だなと思いました。あれだけ我慢したからこそ、めちゃくちゃ面白いんですよね。普通だったら、すぐにイジったり、まずやってみましょうってなるんですけど、最後に怒とうのように畳みかける展開は、最後の伏線回収の仕方というか、本当にすごい。渡部さんがしびれを切らして声をあげて『何回も目が合っていたよな?』って言うところとか、めちゃくちゃ面白いんですよ(笑)」。
■有吉流の仕事術「収録がどうすれば一番面白くなるか」 テレビの作り手が“タガを外した”時の強み
こうした笑いが生まれる舞台裏には、有吉なりの仕事への取り組み方も関係しているのではないかと、橋本氏は考えている。「有吉さんは、収録で撮れるものがどうすれば一番面白くなるのかということを考えてくれていると思います。本番前にいっぱい話をしちゃったら、緊張関係も抜けるじゃないですか。だけど、あそこであの振り方をして、次から次へと畳みかけるっていうのは、渡部さんの返しへの信頼があるからこそだし、あれを残しておいたということのすごさ。『有吉の壁』に関しても、そうだと思っていて。始まる前にみんなとワイワイ話すわけでもないのですが、収録の時に誰に振って、どう答えるかっていうのをすごく見ているし、そこに確かな信頼関係があると考えています」。
番組で見せた渡部の活躍について、橋本氏が感慨を込めて語る。「僕としては、芸人・渡部建を演出できなかったら負けだなと思って臨んでいましたので、率直にうれしかったです。バラエティーって、やっぱり、オンで見せているものがすべてじゃないですか?バラエティーの仕事のあり方にも通じていて、きょういい仕事を一緒にするけど、あしたは別のバラエティーっていうのが、ドラマのみなさんとは違う部分で。だけど、そういうバラエティーの人間の信頼関係もあるし、人間関係もあるのだっていうのが、すごく面白いなと感じています」。
文脈を踏まえた上で見てみると、新たな発見もできるだろう。すでに見ている人も、まだ見ておらず「何かあったんですか?」という人にも「Netflix見ろ!」と伝えたい。
■『名アシスト有吉』ラインナップ
『2代目GENERATIONSオーディション』
『IKKOのDOKIDOKIクッキング』
『東京さまぁ〜ずゲーム』
『天心一武道会』
『東京アフレコ映画祭』
『アンミカって200色あんねん』
『脳汁ジュンジュワ~』
『スターYouTuber発掘!フワフワ生配信』
『ラップバトル韻TOKYO』
『指原のかわいい祭り』
【番組カット】写真たくさん!多彩な番組で有吉の“名アシスト”が光る
■有吉なりの思いに感謝 収録前から感慨深くなる「感情がぐちゃぐちゃでした」
数々の番組でMCを務めてきた有吉弘行が、アーティストやスポーツ選手など10組の個性豊かなゲストがMCを務める10本のバラエティー番組にアシスタントとして参加。ベテランから若手まで百戦錬磨の芸人が参戦し、十人十色のMC企画にチャレンジしながら、突如降りかかる有吉の狂気のアシストを全身全霊で打ち返す、予測不可能で熱量MAXの新たな笑いを生み出す“最狂バラエティー”となっている。
有吉と渡部の関係は長く、1996年に『進め!電波少年』のヒッチハイク企画よりも前からの交流がある。渡部が、なつかしそうに振り返る。「ヒッチハイク行く時も、直前のライブ一緒だったくらいで、有吉が大きなカバンだったので、どうしたのって聞いたら『なんかこの後、空港に行かないといけないみたいで』って話していたら、そのままヒッチハイクに行っちゃった感じでしたから」。
30年近い付き合いのある2人だが、直接的に何か深い言葉を交わすわけではない。渡部が、恐縮しながらも自粛中のエピソードとして「みんなが『大丈夫か?』とか声をかけてくれた中、有吉だけです。『予約取れないお店の予約、僕が全部譲り受けますから』って(笑)」と話す。絶妙な距離感、長きにわたる交流によって信頼関係があるからこそ、有吉との共演とあれば即決だった渡部だが、本作品が活動再開後、冠バラエティー『白黒アンジャッシュ』以外では、初となるバラエティーの収録現場であったという。有吉の楽屋を訪れた際のこと。「有吉はすごく嫌がっていましたね。ニヤニヤしながら『来なくていいですから』って(笑)。もちろん『頑張りましょう!』みたいなタイプではないので、有吉なりのやり方ではあったのですが」。
ドキドキの仕掛けが襲いまくる恐怖の料理番組『IKKOのDOKIDOKIクッキング』の収録が始まると、有吉から終始“あえて”ドライに扱われ、なかなか出番が訪れないという展開に。「出番がまったくなかったので、本当に気が気じゃなかったんです。それで、最後ああやって見せ場を作ってくれて、正直ホッとしました」とかみしめながら、見せ場が終わった後の共演者たちからの反応についても明かした。「ひとくだりあって、出演者たちがいるところに戻ってきた時、ロッチの中岡創一くんが『渡部さん、おかえりなさい』と言ってくれたんです。それも、またグッときちゃって…。本当に基本的なことですけど、一生懸命やるっていうことですよね。現場でしっかり汗をかいて、大声を張り上げるっていうことが大事だなと感じました」。
収録では、有吉の“狂気”を感じる瞬間もあった。「IKKOさんの回で、冷蔵庫のくだりがあるのですが、実際にはカットされているんですけど、現場ではけっこう粘ってやっていたんです(笑)。ビリビリに、草薙くんが気づかず…というのが最初だったのですが、普通の進行だったら、そこはビリビリの不具合などもあるからと、あきらめて次に進むんですよ。でも、有吉はなんかこだわって、いろんな人をビリビリがあまりこない冷蔵庫に向かわせるっていう感じは、普段僕が知っている地上波の有吉はしないんですけど、笑いへの執着みたいなものを感じました。
もうひとつの番組、ネプチューン・堀内健が20年以上ファミレスや喫茶店でコツコツ書き溜め続けてきた企画『脳汁ジュンジュワ~』では、渡部はホリケンワールド全開の現場に「とんでもない現場にきちゃった」と翻ろうされながらも、同時に感動もしていたという。「ホリケンさんの回も、地上波でやる場合は、有吉はもっとストッパー役に回ると思うんです。でも今回、マジでみんながどうなんのっていうくらい、野放しにするような、背中をぐんぐん押している姿は、有吉って狂っているなと(笑)」。
長きにわたって見てきたからこそ、今回の番組では有吉の真骨頂が発揮されていると感じている。「有吉は、お笑いが好きだし、有吉の原点って、ああいうところなのかなと思います。『名アシスト』って、メインの方の影に隠れながら指示を出している構図は、有吉の真骨頂で、有吉が生きるフォーマットって、こういうことかって思いました。狂気じみた、刺激的な笑いがいっぱい詰まった番組ですね」。
■橋本氏が挑んだ「渡部建の壁」 有吉VS渡部の名勝負「本当にすごい」
番組を手がけた橋本氏も、渡部とは以前から関係性がある。「僕が『ヒルナンデス!』の2年目くらいに演出で入って、何を平日のお昼にやればいいんだろう、何が正解なんだろうって模索していた頃、渡部さんと一緒に探りながら番組を作っていました。人気番組になっていくまで、毎週顔を合わせて、ロケもよく行っていて…という関係だったので。いつかは、また芸人・渡部建ともう1回仕事がしたいというのが、僕の中では根っこにありました」。
今回の『名アシスト有吉』が、まさにその時だと橋本氏は感じた。「有吉さんと対峙した時の、芸人・渡部建の面白さって、絶対にあると思うんです。それが出るのではないかと思って、キャスティングをお願いしました。だから、IKKOさんの料理番組のくだりの渡部さんの跳ね方は、めちゃくちゃうれしかったです。あのツッコミの鋭さ、速さ、そして翻ろうされていくっていう流れ。でも、考えてみたら、昔から渡部さんって、翻ろうされている時が面白かったなって思い出したりもしました。ホリケンさんの回も、ホリケンさんっていうめちゃくちゃクレイジーなMCが出てくることが、渡部さんの翻ろうされる感じが引き立って、すごく面白くなりましたし」。
渡部も印象に残っていた、IKKOの料理番組での最後の爆発力ある笑いは、橋本氏にとっても印象深い光景だった。「僕もフロアで見ていて、ドキドキしていました(笑)。あの有吉さんのアシストがあって爆発するっていうのは、やっぱり有吉さんって考えていることが、とんでもない人だなと思いました。あれだけ我慢したからこそ、めちゃくちゃ面白いんですよね。普通だったら、すぐにイジったり、まずやってみましょうってなるんですけど、最後に怒とうのように畳みかける展開は、最後の伏線回収の仕方というか、本当にすごい。渡部さんがしびれを切らして声をあげて『何回も目が合っていたよな?』って言うところとか、めちゃくちゃ面白いんですよ(笑)」。
■有吉流の仕事術「収録がどうすれば一番面白くなるか」 テレビの作り手が“タガを外した”時の強み
こうした笑いが生まれる舞台裏には、有吉なりの仕事への取り組み方も関係しているのではないかと、橋本氏は考えている。「有吉さんは、収録で撮れるものがどうすれば一番面白くなるのかということを考えてくれていると思います。本番前にいっぱい話をしちゃったら、緊張関係も抜けるじゃないですか。だけど、あそこであの振り方をして、次から次へと畳みかけるっていうのは、渡部さんの返しへの信頼があるからこそだし、あれを残しておいたということのすごさ。『有吉の壁』に関しても、そうだと思っていて。始まる前にみんなとワイワイ話すわけでもないのですが、収録の時に誰に振って、どう答えるかっていうのをすごく見ているし、そこに確かな信頼関係があると考えています」。
番組で見せた渡部の活躍について、橋本氏が感慨を込めて語る。「僕としては、芸人・渡部建を演出できなかったら負けだなと思って臨んでいましたので、率直にうれしかったです。バラエティーって、やっぱり、オンで見せているものがすべてじゃないですか?バラエティーの仕事のあり方にも通じていて、きょういい仕事を一緒にするけど、あしたは別のバラエティーっていうのが、ドラマのみなさんとは違う部分で。だけど、そういうバラエティーの人間の信頼関係もあるし、人間関係もあるのだっていうのが、すごく面白いなと感じています」。
文脈を踏まえた上で見てみると、新たな発見もできるだろう。すでに見ている人も、まだ見ておらず「何かあったんですか?」という人にも「Netflix見ろ!」と伝えたい。
■『名アシスト有吉』ラインナップ
『2代目GENERATIONSオーディション』
『IKKOのDOKIDOKIクッキング』
『東京さまぁ〜ずゲーム』
『天心一武道会』
『東京アフレコ映画祭』
『アンミカって200色あんねん』
『脳汁ジュンジュワ~』
『スターYouTuber発掘!フワフワ生配信』
『ラップバトル韻TOKYO』
『指原のかわいい祭り』
公開:2023-04-02 17:00
更新:2023-04-02 17:00
- 【動画】有吉がとことん芸人たちを追い込む!『名アシスト有吉』予告映像
- 【写真】マタニティマークの写真とともに…妻・佐々木希の第2子妊娠を報告した渡部建
- 【番組画像多数】渡部建に用意された「引退誓約書」
- 【写真】直筆コメントで結婚を報告した有吉弘行&夏目三久アナ
- 【番組カット】「プライベートじゃないですからね」と語った渡部建
リンク
ギャラリー