2022年1月28日(金)
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BL、婚活、ストーカー…高校教師の奮闘描く話題作の軸は“執着”「ある意味で人生を豊かにするもの」

『婚活喪女とナチュラルストーカー』/なめくぢら
 ふとしたきっかけで婚活を意識するようになった…そんな経験に共感できる女性も多いのでは? 恋愛よりも趣味を大事にして生きてきたアラサー高校教師が挑む婚活、そして待ち受けるストーカーとは…。ラブコメディ漫画『婚活喪女とナチュラルストーカー』を描くなめくぢらさんに、この作品に込めた想いを聞いた。

【漫画】「突然ストーカー男子学生に好かれちゃった!?」BL好きアラサー高校教師の婚活事情

■コメディながら、大きなテーマは婚活…「現在多いヒロイン像に乗っかりました」

 高校教師・しづの趣味は、”教え子たちをモデルにしたBLマンガを描くこと”。趣味を共有していた親友からの結婚報告により、心機一転“婚活”に励むようになるが…そこに待ち受けていたのは爽やかなストーカーだった? 『婚活喪女とナチュラルストーカー』は、複雑な乙女心と、趣味と仕事が織りなすラブコメディだ。

――趣味に没頭している間に友達は結婚をしていて、自分だけがひとりのように感じてしまう…年頃の女性であれば経験したことのある気持ちではないでしょうか。これを物語の最初に置いた理由を教えてください。

なめくぢらさん LINEマンガでの連載を狙うにあたり、どのようなヒロイン像が多いのかを調べたところ「婚活中」という設定が目立っていたので乗っかりました。実際に悩んでいる人が多い分、共感が得られそうかなと。婚活中の女性と、私が描きたいナチュラルストーカー像は相性が良さそうだなとも。

――先生が描きたかった“ナチュラルストーカー像”とは?

なめくぢらさん 映画『耳をすませば』の天沢聖司のような、クールなのにアグレッシブで、自覚はないけどどこかストーカー気質なキャラです。自分自身が奥手なのもあってか、そういった“ナチュラルストーカー”への憧れがあり、自分の手で描いてみたいと思いました。

――趣味に没頭していたら結婚に乗り遅れてしまい、婚活せねばと考え焦る“しづ”の心情…先生にも経験がありますか?

なめくぢらさん 私は婚活どころか恋愛そのものがピンと来ない、いわゆる喪女です。なので恋愛における「焦り」という感覚に疎く…。基本的にはヒロインとシンクロできている自負はあるのですが、婚活で焦ってるヒロインの心情描写は毎回苦戦を強いられているというのが本音です。



相手役に学生を選んだ理由はピュアさ、「いろいろ経験を済ませている男性は、女性を見る目が厳しい気がしちゃう」

――漫画にはどんな感想が多いですか?

なめくぢらさん 最初は「主人公が作るBL漫画のモデルに、自分の学校の学生を使うなんて非道」といったコメントが多かったです。確かにその通りで、もともとヒロインにはキッチリとその愚行に対する裁きが下される展開にする予定だったのですが、もう充分に裁かれたような気もしています。

――そうなんですね。主人公の愚行と言えば…マッチングアプリの登録者を見ても、つい妄想してしまう場面など、オタクならではの暴走がリアルでしたよね。

なめくぢらさん しづが暴走しているシーンは本当に描いていて楽しいです。シリアスな刑事モノのドラマで、不仲なバディが最終的に結束するシーンとか、電車の中でジャレ合っている男子学生を見ると、つい私も自動的に“二次元”に置き換えて妄想をしてしまいます。心の中で謝罪しながら…。

――相手役のすずりくんは、ストーカーに見えない爽やかさが魅力ですね。描くうえで意識したこと、特に気を付けていることを教えてください。

なめくぢらさん 当初のすずりくんはド派手な外見だったんです。担当編集さんから「一見は優等生…そのほうが作品にとってプラスでは」とのご指摘を受けて納得し、容姿を改良しました。でも油断すると執筆時に当初のド派手なすずりが顔を出すので、その都度なんとか修正しています(笑)。

――現在のすずりくんは不快感ないですが、“ストーカー”というワードは強いですもんね。

なめくぢらさん そうなんですよね。でも私自身、「誰しもが誰か・何かへのナチュラルストーカー」といった考えを持っています。対象に危害が加わらず、強く思う程度であれば、人生を豊かにするとも考えています。

――大人の女性がピュアな男子学生に振り回される様子も、見ていてくすっと笑ってしまう要素ですね。物語の核となる2人の年齢差にはなにか理由が?

なめくぢらさん まず私自身がピュアな子が好きなんです。いろいろ経験を済ませているであろう年齢の男性は、女性を見る目も厳しいと思っていて、自分に自信がない私としては、それが苦しく。私と似たような思いを持つ女性には共感が得られるのでは? と思ったのが理由です。

――BL同人作家、婚活、ストーカーなど、さまざまなパワーワードが盛り込まれながらも、物語の軸がブレずに進んでいますよね。たくさんの要素が盛り込まれているからこそ描くうえで気を付けていることはありますか?

なめくぢらさん おもちゃ箱を引っくり返したようなワチャワチャシーンでも、まったりとした泣けるシーンでも、やかましいキャラでも、おっとりしたキャラでも【何かに執着し、尾行している】シーンがあるのがこの作品の軸だと思っています。ナチュラルにストーカーできるほど、何かに執着するのは“素敵”と思っているので、その軸はブレさせたくないと思っています。

■より“覗き見している感覚”を得られるのも、縦読み漫画webtoonの魅力

――設定も変わっていて面白く、展開もサクサク進んで読みやすい漫画ですが、先生は本作が初連載なんですよね。

なめくぢらさん はい、商業での初連載作品です。長年アシスタントをしながら二次創作の同人活動などをしてきました。その後『LINEマンガ インディーズ』やTwitterやPixivなどにオリジナル作品を投稿していたところ、LINEマンガ編集部様からお声がけを頂いた次第です。


――画材を捨てるシーンなど、かなりコマの大きさを使って迫力のあるシーンになっていました。webtoonの魅力を教えていただけますか?

なめくぢらさん “縦読み”とか“カラー”といった要素がwebtoonの魅力ですよね。でも私のような陰キャとしては、見開きでバッと見せる誌面よりも、より“覗き見している感覚”を得られる点にグッと来ています。もちろん従来のモノクロ漫画も大好きです。

――なるほど、面白い視点ですね! ちなみに、本作のラストシーンはもう決まっているんでしょうか?

なめくぢらさん はい、ラストシーンはザックリと2パターン用意しています。具体的にはお話しできませんが、ヒロインがどちらに進むかは反響で決めたいと思っています。

――がっちり決めずに進めるのも面白いですね。ちなみに…今後の展開、少しでよいので教えていただけますか?

なめくぢらさん 今後は、ヒロインの身にさらなるピンチが次々と襲い掛かる展開にしていく予定です。本来ならシビアなタッチで描くべきシーンも、あえて明るめのタッチで描いていくつもりです。恋愛コメディならぬ“変”愛コメディにご興味をお持ちの方々に、ぜひ読んで頂けたら幸いです。
公開:2021-11-29 08:40
更新:2021-11-29 08:40
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