2021年12月8日(水)
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ハライチ岩井「笑いが最優先」 漫才師として信念ブレず「本業をおろそかにしない」

ハライチ・岩井勇気 (C)ORICON NewS inc.
 お笑いコンビ・ハライチの岩井勇気(35)による、エッセイ本『どうやら僕の日常生活はまちがっている』(新潮社)。「ハライチの岩井」がつづる、芸人としての仕事ぶりをつづったものではなく「岩井勇気」の視点から見た日常生活での出来事が記されている。意識的に、こうした形式を採用している理由はどこにあるのか、エッセイを執筆するにあたって意識していること、芸人として心がけていることなどに迫った。

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■公式側の振る舞いに冷静な視線 漫才のテンポでエッセイをつづる

――エッセイ本の帯デザインを読者投票で決める「“帯”総選挙」にあたって、運営側がツイッターで意見を発信していた時に、岩井さんが待ったをかけた出来事がありました。

2次元界隈で仕事をしているので、よくあるなという感じでした。濃いファンが多いので、公式が浮かれていると急に冷めちゃうんですよ。なんか、公式側の人がファンみたいなニュアンスがちょっとでもあると、その人の方が対象と近いじゃないですか? すっごい冷めないですか? ファンからしたら、頑張って、その人に近づこうと思っていたとしても、運営側には勝てないから。運営側にそのベクトルがあると冷めるっていうのは、老舗出版社はわからないんですよね。なんか、そういうことって本当にあるんです。オレが言うしかないんですよ。オレは客に一番向いていることが正しいと考えていて。自分がやりたいことはあるけど、それをどう受け取るかっていうことは考えています。ちゃんとお客さんファーストで、受け取った人が楽しめるような状況が一番いいですよね。一生懸命「帯、何がいいかな」と考えて投稿しても、公式が見解を出しちゃうと、変な流れが生まれちゃうから、そこは公平にいきたいなと。

――エッセイの中では「地球最後の日に何を食べるか?」という、よくある話題に対して、順序立てて考えていく様子がつづられていましたね。

好きなんですよね。地球最後の日に何を食べるって言われたら、その時の胃の調子とかって普通は考えないですよね(笑)。聞かれた時にみんな、本当に地球最後の日がくると想定していないんですよ。だから、ちゃんと真面目に考えてみることをしたらどうなるんだろうって。だから、映画にしてもいいかもしれないですよね。『シン・ゴジラ』みたいな、今の日本にゴジラが来たらどうするんだっていうことを地球最後の日に何を食べるのかに置き換えて、どうなるのかと。

――どのエッセイもすごくテンポ感があったのですが、心がけていることはありますか?

僕がちゃんと気をつけているところは、読みやすさくらいかもしれないですね。漫才のテンポで読めるようにしています。いいところって、それじゃないですかね(笑)。引っかからない、バリアフリーエッセイだと思います。一見さんお断りみたいなことは大嫌いなので、置いてけぼりにしないことは徹底しています。「芸能人の岩井が書いているぞ」ということをとにかく消したくて。だから、今回も仕事のことはほとんど書いていないです。仕事の描写でも「テレビの仕事」じゃなくて「仕事」にしていたり。今回は芸人だということを一切入れていないです。

――岩井さんとお母さまとのやり取りも印象的に描かれています。

ずっとケンカしているみたいな感じなんですよね。こっちも思春期みたいな対応をしちゃうし、親も思春期の子どもに対する対応をしているんですよね。だから、今後どうするんだろうって思いますよね(笑)。23歳くらいからテレビに出ていて、お給料もよかったし、お金もあるっちゃあるのに、母親がお金の管理をしているので、パーッとお金を使う経験をしたことがなくて。いまだに「今月、金ないなー」って思うことありますもん(笑)。お小遣いがなくなっちゃって、スーパーの買い物をやめようと思ったり、楽屋の弁当も持って帰ろうって思ったり(笑)。僕はお金に無頓着だから、管理ができないんですよね。貯金とかも、親が全部使いたいって言い出したら、別にいいよって思うし。食いっぱぐれてもいいなと思っているので、貯金が全部なくなっても大丈夫じゃないですか? どうにかなりますよ。傷まなそうな服が1着あれば大丈夫でしょう(笑)。

■ツイッターの野次に返答する訳「リングに上げているだけ」 笑いのためならエッセイもやめる?

――失うことへの怖さはない?

そうですね…、要領がいいので、何をやっても成功しそうだなと。分解して法則を見つけるのがうまいと思います。何をするにしても、一歩目を闇雲にやっていないんですよね。合理主義なので、無駄のないようにやりたいです。

――お母さまとのエピソードで、芸人としての活動に意見してきた時に「仕事場まで行って『ここが違う』と直接言うのと同じだよ」と返したと、以前話されていましたね。

本当にそうで、今って人の仕事場に上がりこんできて、全員わかった気になって文句を言っている世の中なんですよ。なんか審査員になっているんですよね。評論できると思っているんですよ。なめんなよって。まずは母親から断罪しないといけないと思って、そんなことを言いました。

――思えば、ツイッターなどでも野次を飛ばしてくる相手に対して、対応している印象があります。

ツイッターは自分のつぶやきたいことをつぶやいているというよりは、ハライチ・岩井勇気としてやっているし、一応ユーモアをのせているんですよ。ユーモアというか、笑えなくても楽しめるようなことをのせているんですよね。その方がいいじゃないですか? だから、コイツに対してどういう風に返すっていうのを楽しんでもらえるようにしていて、そいつに直接返しているというわけではないんです。オレは、リングの外から野次を飛ばしている人に対して「じゃあいいよやりましょう」とリングに上げているだけです。でも、1ラウンドしかやらない。140文字でそいつを黙らせることができなかったら、オレの負けだと思っているので。そいつがもう1回返してきた時に、みんなが納得するような返しだったら、オレの負けだと考えています。ツイッターなんぞにブチギレて返したことないですし、ブロックもするし。ブロックするのダサいとか言われたとしても、ブロックしないことがかっこいいって思われるんだ、ツイッターごときでって(笑)。ツイッターで男気見せるとか恥ずかしいんだけどっていう気持ちなので(笑)。

――今年はラストイヤーでの『M-1グランプリ』出場も話題になりました。

たまたまですよ。なんとなく応募したらエントリーされちゃったっていう感じです(笑)。新ネタできた時とかも披露したいっていう欲が強いので、コロナでなかなかライブがない中、M-1出たら、披露できる場があるなと。ライブ好きなんで。単純に新ネタライブをやりたいなと。ネタを作ることをやめたくない、それだけなんですけどね。それが本業なので、やらなくなったら意味がわからないですし。爆笑問題さんは、いまだにネタを作ってライブをやっていますからね。本業をおろそかにしないというだけのことです。別に誰に言われて作っているわけではなくて、作ったものを発表しているので、楽しいですよ。

――先日の『あちこちオードリー』オンラインライブにハライチさんが出演されましたが、それにあたってのインタビューで、オードリーの若林正恭さんが「オレは岩井ちゃんに憧れている。10年前にあんな風に生きたかったけど、オレにはできなかった」とおっしゃっていました。

それはね、ウソだと思います(笑)。ちょっと、親しみやすさを出そうとしているんだと思います。化けの皮をはいでやろうっていうのが、この間のライブでしたけど、若林さんだってずっと尖っていますし、オレのことをそんな風に思うような対象じゃないと思います。オレのことを上げてくれつつ、自分のことも親しみやすく感じさせるっていうのは策士ですね(笑)。

――今後の目標

お笑いが最優先事項である人が好きなので、そうありたいですけどね。例えば、芸話を振られて、こういう風に返してもらうことを見込んで質問されるとするじゃないですか? それを言えばウケるけど、言っちゃうことで仕事がこなくなったり、ファンが減るなって思って、結局言わないやつは気持ち悪いなと思います(笑)。そいつはお笑いが最優先事項じゃないんだなと。みんなで、面白いことだけを目指してやろうよって言っていたじゃんって。はい、もうタレントさんですねと判断しますね。そういうのを捨ててでも笑いに走るような人が好きだし、そういう人でありたいと。別に金稼ぎがしたくて入ったわけじゃないので、本当はそれが当たり前のことなんですけどね。エッセイを書いたことで、こうやってインタビューを受けていますけど、エッセイをやめることが面白いっていう状況が作られたらやめます(笑)。
公開:2021-10-16 08:00
更新:2021-10-16 08:00
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