2021年6月22日(火)
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「心がえぐられる」と話題の漫画・“顔泥” 「女性にとってメイクは“楽しい”の一言では語れない複雑なもの」

『顔に泥を塗る』(C)ヨシカズ/コアミックス
 「真っ赤な口紅塗ったら彼氏にクレンジングオイルぶっかけられた話」として漫画作品『顔に泥を塗る』を投稿したツイートが12万を超えるいいねを集め「ラストが予想外 」「魂揺さぶられた」などのコメントが相次いだ。最新16話まで配信されている本作だが“ メイク漫画”というカテゴリの中にLGBTQ 、モラハラなど、さまざまなテーマを掛け合わせ、多様性と自由など、今の時代に合った作品を発信する作者・ヨシカズさんに話を聞いた。

【漫画】心がえぐられる…セクハラ、モラハラ、多様性や自由をテーマとした“カオドロ”を公開!

■メイクを“社会人のマナー”として強要されているのは女性だけ

――反響を受けての率直な感想を教えてください。たくさんのいいねやリツイートが集まるようすを、どんな気持ちで見ていましたか?

【ヨシカズさん】この作品はツイッターでウケるタイプの内容ではないと思っていたので、ここまで反応を頂けたのは嬉しい以上に驚きの方が強かったです。

――書店やECサイトでは、品切れ等買いにくい状態が続いたようです。SNSの影響力をどのように感じましたか?

【ヨシカズさん】SNSの影響力の強さを改めて感じましたが、同時にSNSの話題性は一時的なものなので、瞬発力みたいなものだと捉えています。

――作品をつくるうえで、参考にしたものはありますか?

【ヨシカズさん】自分でも世間とズレてると感じるところがあるので、友人知人の体験談や取材先の方のご意見は参考にしています。企画段階では配信サイトでリアリティ番組を観たり、話題のエッセイを読んだりして、世間一般の感覚を確認したりしてました。

――メイクについて悩む主人公を救ってくれたのは、気心の知れた友達ではなく、“メイクが好きな男の子”でした。この役割に“男の子”を選んだ理由は?

【ヨシカズさん】最近は男性もメイクをする時代になりましたが、メイクを“社会人のマナー”として強要されているのはまだ女性だけです。女性にとってメイクは「楽しい」の一言では語れない複雑なものだと思っています。自分は負の感情を描く方が好きなので、ヒーロー役も女性にしてしまうとメイクの楽しい面より負の面を強調してしまう気がして、「社会から強要されていないけどメイクの負の面も知っている男の子」をヒーロー役に置くことでメイクにまつわる苦楽のバランスをとろうとしました。

■1話のオチをツイートにしたことで注目「SNSで話題になることは共感されること」

――漫画の作者が自分のアカウントで作品を宣伝することは珍しくはないですが、作品自体の衝撃的な内容だけではなく、「真っ赤な口紅塗ったら彼氏にクレンジングオイルぶっかけられた話」という文言のひきもあったのではないかと思います。このような文言でツイートした理由は?

【ヨシカズさん】“クレンジングオイルぶっかけられる”のは1話のオチなのでこのタイトルだと完全にネタバレなんですよね。少しためらいはあったんですけど、担当さんに「結局漫画ってオチが一番面白いんだよね」と言われ、思い切ってオチをタイトルに使うことにしました。

――モラハラもSNSなどで話題になりやすいテーマとなっていると思います。作品をつくるうえで、SNSでの盛り上がりも意識しましたか?

【ヨシカズさん】SNSで話題になるということは、つまり共感されることだと思っています。そういう意味では、今回の作品は現代日本が舞台で現代的なテーマを扱っているので、共感してもらうことを目標にしています。

――メイクで変化する…というストーリーだけでなく、モラハラ、LGBT、多様性と自由など、今の時代を象徴するような印象を受けました。ヨシカズさんが伝えたかった作品のテーマは何になりますか?

【ヨシカズさん】“自由”です。せっかく生まれたのだから誰にも縛られず誰にも文句つけられず自由に生きたいと思いますし、もっと自由に生きられる社会になってほしい、という気持ちで描いてます。
公開:2021-05-20 08:40
更新:2021-05-20 08:40
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