北極海の氷、30年代に消失も 融解が加速、国際研究チーム分析

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 ノルウェー・スバルバル諸島沖の北極海。温暖化で海氷の縮小が加速している=2022年7月(アナトリア通信提供・ゲッティ=共同)

 地球温暖化によって北極海で氷の融解が加速し、夏に消失する事態が早ければ2030年代に起こる可能性があるとの分析を韓国・浦項工科大などの国際研究チームが6日、発表した。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新予測では、夏の海氷は50年までになくなる可能性が高いとされていたが、今回の分析は早期に消失する恐れを指摘した。

 海氷に覆われなくなると熱を吸収しやすくなって温暖化がさらに進むほか、人の生活や生態系に被害が生じると懸念される。チームは「温室効果ガスの排出が北極に深刻な影響を与えている」と警告した。

 北極海の氷の縮小はここ数十年間で急速に進み、今世紀に入り特にペースが速まっている。チームは今後の温暖化の進行度合いを4パターン想定し、北極海で氷がなくなる時期を分析した。

 すると、温室ガスの排出を積極的に減らし産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑える場合を含め、全てのパターンで、夏の海氷消失が30年代〜50年代に初めて起こるとの結果が得られた。

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