政府は6日、成長戦略と位置付ける「新しい資本主義実行計画」の改定案を発表した。持続的な賃上げに向け労働市場改革を推進。年功制を前提とした雇用慣行からの転換を図り、成長産業への労働移動を促す。経済安全保障の要となる半導体など重要物資への国内投資を加速。人工知能(AI)の活用も進める。
改定案は6日に開いた新しい資本主義実現会議で提示した。岸田文雄首相は「雇用形態、年齢、性別を問わず、自らの意思で昇任・昇給や転職による処遇改善や労働移動の機会を確保できる社会をつくる」と強調した。経済財政運営の指針「骨太方針」と併せ、16日の閣議決定を目指す。
労働市場改革は、足元の賃上げの流れを構造的な賃金上昇につなげるのが狙い。労働者のリスキリング(学び直し)支援、職務給の普及、デジタルなど成長分野への労働移動の三つを柱に据えた。学び直し支援は企業経由から個人への直接給付主体に切り替え、雇用調整助成金も学び直しを促す仕組みに改める。同じ会社に長く勤めるほど有利な退職金の課税制度も見直しを検討する。
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