<大ヒット盤>竹島宏『Stories』憂いを帯びた声でやるせない恋を歌う 

2/24 07:03

 2002年にデビューした男性歌手の竹島宏。2017年からの大半の作品を作詞:松井五郎、作曲・編曲:都志見隆というコンビで固めたことで安定したヒットを飛ばしており、本作は松井・都志見両氏のプロデュースによる新曲を含む2枚組だ。

 Disc1は、インスト曲のあと、リズミカルなムード歌謡の『また人生を知りました』で始まるが、彼は憂いを帯びた声でやるせない恋を歌うのが実に上手い。出世作の『月枕』にある「ふたりを繋ぐ腕枕 ひとりを耐える月枕」という歌詞も、彼が歌うと平安貴族が浮かぶほど気品がある。その他、ボイスレターとも取れる朗読の『Stories』もファンが卒倒しそうだが、都会での夢の実現を誓ったバラードの『いつかの青年』を、明るく懸命に歌うのも意外性があって良い。

 Disc2では、恋のときめきを歌った70年代歌謡曲風のシングル『噂のふたり』のカップリング曲だった『それは幻』があらためて良いと気づいた。刹那の恋を「偽りのない幻」として肯定する二人のやるせなさを見事に表している。また、熟年コーラスと共演した京都が舞台の『いにしえの橋』や、青春ドラマのように朗らかな『夕やけのバラッド』も新鮮だ。さらに、言葉をかみしめるように丁寧に歌った2017年の『生きてみましょう』も、コロナ禍の今だからこそ聴いてほしい逸品だ。

 44Pのブックレットには、様々な年代の写真をふんだんに掲載。本作を聴けば、歌詞の行間をより意識しながら歌うようになるはず。

(テイチク・2CD限定盤 6000円+税)=臼井孝

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