『アウトポスト』戦争映画はここまで来たか! 

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(C)OUTPOST PRODUCTIONS

 実話を基にした戦争映画だ。アフガニスタン紛争で最悪の戦闘とされる2009年10月3日の「カムデシュの戦い」が克明に描かれる。ジェイク・タッパーのノンフィクション小説が原作だが、最近では、イーストウッドが2015年のタリス銃乱射事件を映画化した『15時17分、パリ行き』や、18年にタイの洞窟で起きた遭難事故に基づく『THE CAVE サッカー少年救出までの18日間』がそうだったように、まだ記憶が確かな当事者たちの証言を再現したリアリティーが半端ない! しかも、本作でも同じように何人かの当事者たちが本人役で出演もしているのだ。

 それにしても、あまりに具体的で生々しく、戦争映画はここまで来たか!と思わされる。ノルマンディー上陸作戦を淡々と描写した1998年の『プライベート・ライアン』に度肝を抜かれたことが、遠い昔のよう。もちろん特撮技術や、例えば観る者の気を逸らせておいて唐突に事件が起きるとか、無駄のない人間(上下)関係の描写など演出スキルも確かなのだが、もはやテクニック云々の次元じゃない。

 舞台となる米軍の前哨基地は、なぜか防御が脆弱な谷底に造られ、タリバン軍の総攻撃をわずか54人で迎え撃つ状況は、戦争映画というよりサバイバル映画にカテゴライズしたくなるほど。後半ひたすら続く防戦にはもうウンザリで、声高にメッセージなど叫ばなくとも戦争の無意味さを痛感させられる(それだけに、最後の証言映像は蛇足)。★★★★☆(外山真也)

監督:ロッド・ルーリー

出演:スコット・イーストウッド、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、オーランド・ブルーム

3月12日(金)から全国公開

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