上山市の障害者支援施設「山形育成園」(白鳥勇二園長)で、職員が女性入所者に対し「約束を守らないと処置しない」と交換条件を付けて適切な支援を行わないなどし、県から行政指導を受けていたことが27日、関係者への取材で分かった。複数の職員が関与し、この入所者を含む女性2人を呼び捨てにしていた。女性の住所地の山形市は、これらの行為を心理的虐待と認定している。
関係者によると、このうち女性1人には足の指から出血した際、「約束を守らないと処置しない」と交換条件を出し、すぐに処置をしなかったという。またこの女性を含めた2人の名前を日常的に呼び捨てにし、人権への配慮を欠く対応をしていた。これらは2021年ごろから行われていたとみられる。
この施設は社会福祉法人が運営し、村山地域を中心とした知的障害者らが利用している。利用者の住所地となっている複数の自治体が、匿名での情報提供を基に今年2月ごろから、施設を訪れて職員らへの聞き取り調査などを進めた。山形市は7月、女性2人への心理的虐待があったと認定した。
県は先月、山形市からの調査報告を受け、行政指導した。改善計画書の提出を指示し、再発防止の徹底を求めている。白鳥園長は山形新聞の取材に対し、心理的な虐待行為があったことを認め「職員一人一人の意識改革を促し、改善に向けて取り組む」と話した。
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