今年10月に山形市で開催される山形国際ドキュメンタリー映画祭2023で、アジアの作家らを対象にした「アジア千波万波」部門の上映作品19本が決まった。過去最多となる応募作の中から、民主化を求める市民への弾圧が続くミャンマーの作品など、時代の空気や人々の思いを織り込んだ多様な作品がそろった。
同部門には今回、67の国と地域から1002作品が寄せられた。ミャンマーからは匿名監督による2作品を含む3作品が選出された。ダム建設に反対する2人の女性活動家と志を共にする人たちとの連帯を描いた「地の上、地の下」、10代の革命を追った「鳥が飛び立つとき」、「負け戦でも」は自由を奪われたヤンゴンのうっ屈とした空気を収めた。
日本人監督作品は2本。小田香監督の「GAMA」は沖縄戦で多くの住民が犠牲になった自然洞窟「ガマ」を舞台にした。波田野州平監督「それはとにかくまぶしい」は家族と過ごす1年間を捉えた。他に、高校時代から撮影を始めた20代監督のデビュー作や、2015年に同部門最高賞を受賞した監督の作品などもある。映画祭は10月5~12日の日程で、受賞作は11日に発表する。
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