山形国際ドキュメンタリー映画祭2023(10月5~12日)のメインプログラム「インターナショナル・コンペティション」部門の上映作品15本が決まった。ウクライナ出身の作家が手がけた作品をはじめ、コンペ初上映となるアフリカ・マリ出身の監督作など幅広い国や世代、形態の作品がそろった。
応募は112の国と地域から1132本が寄せられた。ウクライナの出身監督作品は2本が選ばれた。「東部戦線」はロシアとの戦いが続く前線に救護兵として従軍した監督が半年間、戦場と日常生活を記録した。「三人の女たち」はまだ新型コロナや戦争の影がない2019年のウクライナを捉えた。マリ出身監督作は同国で設立した農業共同体の運動を長期記録した「交差する声」。「ニッツ・アイランド」はオンラインゲームに潜入して取材を敢行した異色の作品だ。
日本人では前田真二郎監督の「日々“hibi”AUG」が入った。他にも若手からベテランまでの意欲作、力作が並んだ。
コンペ部門上映作品は次の通り(かっこ内は監督名)。
▽アンヘル69(テオ・モントーヤ)▽ターミナル(グスタボ・フォンタン)▽交差する声(ラファエル・グリゼイ、ブーバ・トゥーレ)▽東部戦線(ビタリー・マンスキー、イェウヘン・ティタレンコ)▽日々“hibi”AUG(前田真二郎)▽あの島(ダミアン・マニベル)▽ニッツ・アイランド(エキエム・バルビエ、ギレム・コース、クエンティン・ヘルグアルク)▽何も知らない夜(パヤル・カパーリヤー)▽ある映画のための覚書(イグナシオ・アグエロ)▽自画像:47KM 2020(章梦奇)▽紫の家の物語(アッバース・ファーディル)▽三人の女たち(マキシム・メルニク)▽不安定な対象2(ダニエル・アイゼンバーグ)▽訪問、秘密の庭(イレーネ・M・ボレゴ)▽ホワット・アバウト・チャイナ?=仮題(トリン・T・ミンハ)
メインポスター、芸工大3年・福田さんの作品―テーマは「見つめる」
山形国際ドキュメンタリー映画祭2023のメインポスターは、東北芸術工科大グラフィックデザイン学科3年福田真子さん(20)の作品が選ばれた。他人の人生を客観的に見つめ、自分をも見つめ直すことができるドキュメンタリー映画に重ね、テーマを「見つめる」とした。デザインした横顔は「自分を投影してもらえるよう、ジェンダーや人種が分からないように意識した」と話した。
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