時の記念日の10日、山形市の文翔館で時計塔内部見学会が開かれた。市民らが文字盤の裏に上って機械式時計を間近にし、100年続く歴史に思いをはせた。
時計塔は県庁舎の一部として1916(大正5)年に建てられた。現在も動く塔時計の中では札幌市時計台に次いで国内で2番目に古い。市内にある時計店の枡谷秀一さん(64)が5日ごとに分銅を巻き上げるなどして守っている。
見学会には約20人が参加。館内の階段から屋根裏に入り、腰をかがめたり、柱やはりの間をくぐり抜けたりして文字盤の内側まで進んだ。枡谷さんが説明し、歯車を動かす分銅を巻き上げ、文字盤の針を調整する様子も見せた。福島市から夫と訪れた小熊敬子さん(74)は「内部が木造で驚いた。管理する職人の苦労を聞き、時を刻む重みを感じた」と話した。
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