西川町出身者が大学などを卒業後、町内に住むことを条件に教育ローンの元金と利子の返済を町が補助する「帰ってきてけローン」の受け付けが12日に始まるのを前に同町の菅野大志町長は8日、同町役場で記者会見し、「若者のUターン促進につなげたい。町外で学んだ知識を西川のために還元してほしい」と目的を語った。返済期間は卒業後、原則10年間。その間、町で暮らせば元金と利子の支払いが全額免除される全国でも珍しい取り組みという。
菅野町長は自分の経歴を例に挙げ「自分も西川出身で(町長になる前は)他地域で働き、そして戻ってきた。外で学び、戻って経験を生かすことは意義深い」と強調した。初年度は14人が上限の500万円を借りた場合に必要となる7千万円を予算化した。予想を上回る申し込みがあった場合、ふるさと納税の寄付金を財源として増額補正することも検討しているという。
町内には小中学校のみで多くの子どもは高校入学と同時に町外の学校に進学する。故に社会人になってから地元に戻る人が少ないことが県内でも高い高齢化率となっている要因として問題視されてきた。
貸付期間は学生の在学期間中。補助対象は短大や大学、大学院、専門学校で学ぶ子どもを持つ町内在住の保護者となる。子どもが在学中、保護者は毎月利子を金融機関に支払うが、毎年5月、過去1年間に払った利子分を町がまとめて保護者に返済する。卒業後は元金と利子を合算した分の支払いが始まるが、在学中と同様に、翌年の5月に過去1年分をまとめて町が保護者口座に入金する。
町によると、元金を含めた教育ローン返済の補助制度は全国の市町村で初という。山形銀行寒河江中央支店、きらやか銀行寒河江支店、山形信用金庫全店、JAさがえ西村山西川支所で取り扱う。貸付利率は1.9%(保証料込み、変動あり)で、貸付条件は金融機関によって異なる。
菅野町長は会見で「2030年度までに利用枠を50人までに増やしたい」と将来構想も語った。
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