第74回県高校総合体育大会は主会期最終日の4日、県内各地で20競技を行った。フェンシング団体の女子は米沢興譲館が制し、男子は山形東が勝った。
ソフトテニス団体は男子の羽黒が10度目、女子は山形城北が21度目となる栄冠に輝いた。アーチェリー男子団体は鶴岡南が3連覇を決めた。バスケットボールは男子の羽黒、女子の山形中央がともに2年連続で頂点に立った。
剣道団体は男子の惺山が初、女子の左沢は40度目の優勝を決めた。テニス女子はシングルスで石沢萌々子(寒河江)、ダブルスで石沢・阿部咲楽(同)が3連覇を成し遂げた。バレーボールは男子の山形中央が2年連続、女子の米沢中央が3年連続の制覇。カヌーは強風による落水事故でペア種目までで打ち切った。
女子団体、全国選抜3位糧に成長
フルーレで競うフェンシング女子団体は、米沢興譲館が栄冠を手にした。3月の全国高校選抜大会でエペ団体3位となったチームを率いる主将の高橋里奈は、「全国の強豪校と渡り合ったことが自信になり、緊張しなくなった。インターハイ(全国高校総体)で一つでも上を目指したい」と意気込みを高めた。
3校によるリーグ戦。ともに1勝で米沢東との最終戦を迎えた。3人それぞれが相手全員と対戦する計9戦で、5勝を先取した方が勝利する。地区大会での同カードは5勝4敗の接戦で勝利。選手は気を引き締め直して臨んだ。
3戦を終え2勝1敗とし、4試合目で五十嵐舞衣は相手のエースと相対した。「前掛かりに攻めてくるはず」。予想通り積極的に押してくる相手の剣先を冷静に見極めポイントを重ね、県頂点への流れを加速させる大きな1勝を挙げた。チームメートからの大きな拍手と歓声に、ガッツポーズで応えた。
唯一2年生で出場した長嶋夏穂は、この試合では2敗と悔しい結果。それでも「団体だといつも以上の力を出せる時がある」と前向きだ。チームは東北大会でさらなるレベルアップを果たし、全国舞台に向かっていくつもりだ。
羽黒、接戦制し6連覇・ソフトテニス男子
ソフトテニス男子団体は、優勝候補筆頭の羽黒が2-1で接戦を制した。新型コロナウイルス禍による中止を挟み6連覇。選手たちは肩を組み合って喜びつつも、まだ満足はしていない。目標は日本一。「技術や精神面でのさらなる成長が必要」。表情を引き締めて語った。
決勝の相手は山形中央。1勝1敗で迎えた最終戦では、佐藤直輝・木皿璃夢斗ペアが序盤から主導権を握った。4-0で優勝を決めると、3年の佐藤は「風向きに応じて打点や戦略を変えた」と冷静さを示した。2年の木皿はコートで気迫あふれるプレーと声で盛り上げ「自分が先輩を全国に連れて行くつもりで戦った」と語った。
「全国の壁は厚い。何事にも動じない修正力を磨くことが課題」と丸山崇監督。選手たちも「どんな状況でも戦えるよう、プレーの幅を増やしていきたい」と決意を新たにした。全国制覇に向け、チームの挑戦はまだ途上だ。
強風なんの、鶴岡南頂点・アーチェリー男子
アーチェリー男子団体は、強風の中でも着実に点を重ねた鶴岡南が3年連続の優勝を果たした。前日の個人を制し、団体でもチームをけん引した主将の長谷川泰正は「納得の優勝ではない。全国で戦うため、さらに実力を上げていきたい」と語った。
終始吹き付ける風の影響で体の軸がぶれ、「リズムよく打てなかった」と長谷川。全員の得点は思うようには伸びなかったが、日頃の基礎練習で培った体力とチームワークで鶴岡工を突き放した。
春の全国高校選抜大会で個人16強入りした長谷川は「自信がついた」と大黒柱として存在感を示す。来年度には鶴岡北と統合し、鶴岡南としての全国高校総体出場は今年が最後。頼れる主将は「全国に鶴岡南の名前を残したい」と高みを見据えた。
羽黒圧倒、V2達成・バスケ男子
強さは圧倒的だった。バスケットボール男子の羽黒は山形中央を寄せ付けず連覇を達成。大会を通じて実力を示し、斎藤仁監督は「選手たちの体調は万全とは言い難いが、しっかりと戦ってくれた」と納得の表情を見せた。
「自分たちのペースで試合に臨めた」と主将の三浦勘。序盤は3点シュートで勢いづく山中央に押され気味だったが、冷静だった。ファウルがかさむ相手に対し、フリースローを確実に沈めるなどして主導権を握り、15点リードで折り返した。
後半もエース小川瑛次郎を軸に内外から得点を重ね、28点差で圧勝。殊勲の背番号10は「絶対に負けないという気持ちで戦った」とし「残り2カ月で課題に向き合い、全国舞台に臨みたい」と語った。
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