県内「直ちに避難」はなし 鶴岡の土砂崩れ受け、671ヵ所点検

2023/6/3 10:00

 県は2日、鶴岡市西目で昨年末に発生した土砂崩れを受け、県内の土砂災害警戒区域を対象に行った点検結果を公表した。直ちに住民避難が必要な場所はないとした。対策が必要な場所は鶴岡市で1カ所見つかり応急対策を講じ、現在は恒久対策が進んでいる。対策実施中は13カ所、経過観察が必要なのは24カ所となった。

 同警戒区域5176カ所のうち西目地区に類似した地形や地質を対象に、住民に大きな被害が生じる恐れがある計671カ所(29市町村)について調査した。例年6月に点検を行っているが、同地区の災害を踏まえ約3カ月前倒しして実施した。

 結果は表の通り。直ちに住民避難が必要な「A+」評価はゼロだった。対策が必要な「A」は鶴岡市の大山公園周辺の斜面。水が入らないようブルーシートを張ったり、木を伐採したりして対応した。先月25日からは緩んだ土砂を取り除き、良質な土砂に替える作業を行っている。工期は1カ月程度の見込み。

 点検前から対策を実施中は「A―」で13カ所、経過観察が必要は「B」で24カ所だった。状態の変化が軽微または確認されなかった「C」は633カ所で、地域住民などによる現状確認を続けるとした。

 点検結果は、県と市町村長、市町村議会議長による会議で県が報告した。吉村美栄子知事は「経過観察が必要と判断された場所は定期的な点検に加え、大雨や地震などがあれば必要に応じて点検を行う」と述べた。県は市町村が作成したハザードマップで避難経路などを確認し、避難指示が発令された場合などは速やかに避難するよう求めている。

 西目地区の土砂崩れは昨年12月31日に発生し、夫婦2人が犠牲になった。

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