山形労働局管内で2022年に寄せられた労働条件に関する相談件数は、前年比5.7%減の5965件だった。新型コロナウイルス感染拡大に伴って賃金の支払いや解雇に関する相談が大きく増えた20年からは2年連続で減少し、コロナ前の水準に戻った。
労働基準法、最低賃金法など労働基準関係法令に関する相談をまとめた。コロナ禍が拡大した20年には、休業手当に関する相談が労使双方から多数寄せられるなど、6922件まで増加した。21年は6324件と減少し、22年は4年ぶりの5千件台となった。
相談内容の内訳は、労働時間が最多の1036件。年次有給休暇が874件、賃金の支払いが811件と続いた。相談者の内訳は、労働者が全体の54.6%、使用者が28.8%、労働者の家族などが16.7%。
労働条件が労働基準法、最低賃金法などに違反するとして、労働者が事業主を行政指導するよう求めた申告の件数は161件で、前年から16.6%減少した。申告は1件で複数の内容を含む事例があり、内容別では賃金不払いが133件、解雇は23件、最低賃金は12件だった。業種別では商業が最多の19.9%で、保健衛生業と接客娯楽業が共に16.8%で続いた。
申告では、事業主が労働者と合意していたとして最低賃金未満しか支払っていなかった事例や、予告なしに解雇した事例があり、最低賃金との差額や解雇予告手当が支払われた。
山形労働局は「賃金不払いや解雇は労働者の生活に重大な影響を与える問題」と強調し、「解雇や倒産の場合にも最低限のルールがあり、法令順守を指導する」としている。
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