津波などで104人が犠牲となった1983(昭和58)年の日本海中部地震は26日で発生から40年となる。日本海側を震源とする地震は鶴岡市で震度6弱を観測した2019年の本県沖地震をはじめ、最近では今月5日に石川県珠洲(すず)市で震度6強の地震が起きている。「決して油断はできない」。過去の地震を教訓に酒田市沿岸部の自治会や観光施設は、住民の避難時間の短縮や観光客の避難経路見直しを進め、大災害への備えを強めている。
日本海中部地震の際、「山居倉庫近くで新井田川の水かさが上がったり下がったりするのを見た。不思議だと思った」と話すのは酒田市の山居町79区自治会の田賀信之会長(69)。「津波の影響だったのだろう」と振り返る。
同会は酒田港近くの約80世帯、約180人で構成する。同市の津波ハザードマップによると、本県沖合を震源とするマグニチュード(M)7.7~7.8の地震が起きると15分程度で津波が到達するとされる。従来の避難ルートだと同会1、2組(25世帯55人)の住民は津波避難ビルに指定されている山新放送庄内会館などに向かうことになるが、同会館裏に幅1.2メートルほどの用水路があるため、迂回(うかい)して避難しなければならなかった。
避難に要する時間短縮に向け同会は5、6年前から対策を練り、地権者らの承諾を得て仮設橋の設置を決めた。設置したのは昨年8月。会員が手作りし長さ約1.8メートル、幅約1.2メートルの木製橋を架けた。今月の大型連休明けには、高齢者も渡りやすいよう高さ約1メートルの手すりを付けて改良した。
先頃、橋を使った同会館への避難訓練を実施した。用水路を迂回した場合、最大で約8分かかっていた人が、橋を渡ると約1分で会館に到着できた。参加者15人の平均だと5分ほどで避難を終えた。田賀会長は「生死を分ける状況でこの効果は大きい。今後は自治会独自に、約200食分の乾麺の備蓄を計画している」と語った。
◆日本海中部地震 1983年5月26日午前11時59分に秋田県沖を震源とするマグニチュード(M)7.7の大地震が発生、秋田、青森両県で最大震度5を観測した。東北地方の日本海側を中心に大津波が襲い、最大は秋田県八竜町(現三種町)の6.6メートルだった。一方、東北大の調査では、同県内で14メートルに達したとの報告もある。全国で104人が亡くなり、うち100人は津波によるものといわれる。山形県民2人が秋田県内で津波にのまれ亡くなった。
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