「やまがた百名山」の一つで、鶴岡市にある「日本国」の登山イベントが5日、開かれた。ぞろ目の標高555メートルと同じ「令和5年5月5日」に合わせて地元住民らが平成5年の1993年以来、30年ぶりに企画し、参加者約260人が山形、新潟の両県にまたがる日本国の山頂を目指した。
「日本国555フェスタ」と名付けたイベントに、首都圏や兵庫県、県内各地から家族連れ、愛好家が参加した。剱持孝一実行委員長の「ゴー(5)ゴー(5)ゴー(5)」の掛け声を合図に、鶴岡市の小名部公民館を出発した。参加者は急勾配の上りに苦戦しつつも、新緑の木々を眺めながら一本道を1時間ほど登った。開けた山頂で、和太鼓グループ「念珠関辨天(べんてん)太鼓創成会」の演奏が一行を出迎えた。新潟側でも同様の催しがあり、大勢の人が日本海の眺望などを楽しんだ。山の名称から国旗を掲げて記念撮影する姿もあった。
イベントは地元の小名部地区住民らが実行委員会を組織し、3年前から準備を進めた。人口減少が進み、30年前の半数である約250人になった同地区にとって、もう一度活気づけの契機にしようと、住民総出で力を入れた。市の助成金を活用し、一部通行できなくなった登山道の修復や、歩く際の支障になる枝を取り除き、整備したという。
前回より参加者は増えたほか、地域の“記念日”に合わせて帰省した人、閉校した旧小名部小の元教職員らとの再会もあった。剱持実行委員長は「こんなににぎわったのは何十年ぶりだろうか。これを機にまた登ろうと、訪問しようと思ってくれたらうれしい」と語った。
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